南米の「今」が分かる。コパ・アメリカはこんなに魅力的! (3ページ目)

  • 中山淳●文 text by Nakayama Atsushi  photo by AFLO

 逆に不安視されているのが攻撃陣の駒不足だ。良くも悪くも現在のチームはネイマール(バルセロナ)頼みで、これは1年前とあまり変わっていない。ここまでドゥンガ監督は、ストライカーとしてジエゴ・タルデッリ(山東魯能)、ルイス・アドリアーノ(シャフタール・ドネツク)らを起用してチームを構築していたが、今年3月のフランス戦ではネイマールとロベルト・フィルミーノ(ホッフェンハイム)を前線に置き、純粋なストライカーを起用しないオプションを加えている。

 もちろん、エースのネイマールの調子次第ではあるが、ドゥンガ監督がヨーロッパ的な守備戦術をベースにしたサッカーを身上としていることを考えれば、手堅いサッカーで優勝カップを手にする可能性は十分にある。

 一方、ワールドカップから指揮官を交替せずに今大会に挑む2チーム――、ブラジルで旋風を巻き起こしたホセ・ペケルマン監督率いるコロンビアと、ホルヘ・サンパオリ監督が指揮を執るチリが、今大会のダークホース的存在だ。

 まず、コロンビア最大の注目は、ブラジル・ワールドカップを故障欠場したFWラダメル・ファルカオ(モナコ)のプレーぶりだ。マンチェスター・ユナイテッドでは復調できないままシーズンを終えたが、その分、今大会にかける意気込みは高いはず。レアル・マドリードでさらに成長したMFハメス・ロドリゲスとのホットラインがこのチームの生命線だけに、ファルカオの出来がカギとなりそうだ。

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