「悩みながら前進」。本田圭佑がこの1年で語ってきたこと
欧州サッカー2014-15総括(12)
ロシアW杯予選を前にしたイラク戦。最初の一撃を与えたのは本田圭佑だった。5分、自陣で奪い取ると、この日ボランチに入った柴崎岳が前線へ縦パスを送り込む。中央で動き出していた本田はそのまま相手CBを押さえ込み、落ち着いてシュートを決めた。試合後、本田は「タイミングよくボールが来た。決めることができて良かった」と、柴崎を称えながら、素直に得点を喜んだ。好スタートへの予感が膨らんだ。
イラク戦で先制ゴールを決めた本田圭佑(ミラン) ちょうど1年前のブラジルW杯ではどん底を味わった。だが、それに続く2014~15シーズン、ミランに戻った本田はその悔しさを払拭するかのように、最高のスタートを切っている。
8月31日、ホームで行なわれたラツィオとの開幕戦で、本田は開始7分に先制ゴールをあげたのだ。左サイドで味方がボールを縦に一気に運ぶと、本田は中央を自陣から疾走。ゴール前で左クロスに合わせ、抑えの効いたシュートを利き足でない右で決めた。長距離のダッシュといい、右足でのシュートといい、本田らしからぬと言いたくなるようなシーン。試合は3-1でミランが勝利した。
だが本人は、得点と勝利を喜びつつも、違和感を隠さなかった。
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