3冠達成でもルイス・エンリケの発言に揺れるバルセロナ (3ページ目)

  • 山本孔一●文 text by Yamamoto Koichi photo by Mutsu Kawamori/MUTSUFOTOGRAFIA

【第2位】ブーイング禁止令

 事件が起きたのは11月30日のこと。アトレティコ・マドリード対デポルティーボ・ラコルーニャ戦を前に、両チームの狂信的サポーターが衝突。多くの負傷者が出る中で、デポルティーボのサポーターが死亡した。事件はサッカー関係者に大きなショックを与え、これが発端となってLFP(スペインプロリーグ機構)は、選手やクラブを侮辱するような悪質なブーイングに対して処罰を行なうことになった。

 これにより、これまで当然のように歌われていた“くそったれ”コールや、名物でもあったライバルのチームソングを野次った歌や、審判の判定への不満の罵声などが禁止された。だが、それで黙ってしまうサポーターばかりではない。スタジアムでは、頭をひねり「審判、今の判定は納得できないよ」「●●(ライバル)は自分の好きなタイプではないかな」といったコールに声を合わせる姿が見られた。

【第1位】バルサ3冠!でも監督の去就は?

 メッシ、ネイマール、ルイス・スアレスの破壊力を重視したサッカーで、リーガに続きバルセロナは国王杯決勝でアスレティック・ビルバオを撃破。ベルリンで行なわれたチャンピオンズリーグ(CL)決勝でもユベントスを打ち倒した。5度目の欧州王者に輝くとともに、スペイン史上初の2度目の3冠を獲得。際立つのが6年という短いスパンでこれを成し遂げたことで、「21世紀世界最高のクラブは我々バルサだ」とルイス・エンリケ監督が胸を張ったのも頷(うなず)ける。

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