インテルで出場機会が激減。長友佑都はどこへ行くのか

  • カルロ・ファッブリ●文text by Carlo Fabbri 利根川 晶子●翻訳 translation by Tonegawa Akiko

 2010年に長友佑都がイタリアのプロビンチャ(地方)のチーム、チェゼーナにやってきた時、人々は彼を暖かく迎えはしたが、どこかに違和感を覚えていた。

 チェゼーナのあるロマーニャ地方は、美味しい食べ物と、多くの名選手や監督(ザッケローニもこの地方出身だ)を輩出していることで有名である。チェゼーナの人はそれまで、日本人がサッカーをするところなど見たことがなかった。日本のスポーツといえば相撲しか思い浮かばなかった。

今季、出場機会が減っている長友佑都(インテル)今季、出場機会が減っている長友佑都(インテル) しかしユウトはほんの数週間で、そんなロマーニャの人々の考えを完全に変えてしまった。彼はチェゼーナサポーターに愛され、サッカー選手として高く評価された。しかし、あまりにも高く評価されてしまったため、その半年後には大都会の名門チーム、インテルに引き抜かれてしまったのだ。

 インテルはチーム名の通り、非常にインターナショナルなチームでこれまで多くの国籍の選手がプレイしてきた。しかしここでも日本人選手は彼が初めてだった。インテルに来た長友はレジェンド、ハビエル・サネッティ()とも仲良くなり、ゴールを決めたあと彼と見せたお辞儀のパフォーマンスはインテリスタだけでなく、多くのサッカーファンの心に今も残っている。

※1995年から2014年までインテルに所属した元アルゼンチン代表のDF、MF。99年からはキャプテンを務めていた。

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