好調シャルケ。だが中盤起用の内田篤人は言葉を濁した (2ページ目)

  • 了戒美子●文 photo by Ryokai Yoshiko
  • photo by Mutsu Kawamori/MUTSUFOTOGRAFIA

 翌シーズン、チェルシーはもう少し攻撃にも重点を置いた、言ってみればまともなサッカーに着手したと思われたが、なかなか結果が出ず、彼は早々にチームを去った。それ以来、約2年のブランクを経て監督業に復帰したのがこのシャルケだったというわけだ。

 やむを得ない面もある。後半戦初戦のハノーファー戦で、悪質なファウルを働いたと見なされたFWフンテラールが6試合の出場停止(後に4試合に軽減)に。両サイドのアタッカーでシャルケのカラーそのものでもあったドラクスラーとファルファンは長期離脱中。フンテラールは間もなく復帰するが、両サイドのパワーは欠いたままだ。このところ96年生まれのサネが途中から出場してその穴を埋めようとしているが、まだまだドラクスラーやファルファンの存在感にはほど遠い。

 ボルシアMG戦後、「勝ったから良しとする?」と聞かれた内田は、「勝ったから(良しと)言えるけど......」と、言葉を濁した。内容には不満があるが、詳しくは言えない、と受け取るしかないだろう。

 中盤での起用そのものについては、「やっぱりどこで起用されようと俺は守備の選手だし、これからファルファンみたいになることはないと思う。でも攻撃に関しては、(右サイドで内田の前に入ることの多かった)ファルファンに頼りきりだったから、中盤で起用されたからには頑張ってみるよ」と前向きに語っている。試合前の練習は、右から中央から、ロングシュートを数本放って切り上げたが、試合中にその成果を発揮することはなかった。

 短期的に見れば結果が出るサッカーなのだろう。だが、手堅いだけの守備的サッカーにあまり未来を感じないのは気のせいだろうか。

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