マンU監督就任。変身したファン・ハールは香川真司を使うのか?
かねてからの噂の通り、オランダ人ルイス・ファン・ハールが、来季からマンチェスター・ユナイテッドの新監督に就任することが決まった。契約は3年だ。
昨季は、サー・アレックス・ファーガソンの後を継いだデイビッド・モイーズが、成績不振によりシーズン終盤に途中解任。残りの試合をライアン・ギグス暫定監督が采配を振るうという事態に陥っただけに、マンUとしては是が非でも大物を招聘して周囲を納得させたかったに違いない。
そうでなければ、常に英国系の人物に監督を任せてきたクラブの伝統を敢えて覆(くつがえ)す必要はあるまい。それほど、無冠かつチャンピオンズリーグ出場権を逃したことは、財政面も含め、クラブに大きなダメージを与えたわけだ。
マンU監督に就任したファン・ハール(現オランダ代表監督) その点において、ファン・ハールは申し分のない人物と言える。それは、彼がマンUの新監督に就任すると発表されてから、選手や監督など多くのサッカー界の人物が賞賛のコメントを残していることでもよく分かる。実績は十分。その指導者としてのキャリアを見れば、確かに彼の手腕に疑いの余地はない。
ファン・ハールは、さほど目立った活躍をできずに現役を退いた後、古巣AZ(オランダ)、そしてアヤックスのコーチを経験し、1991年にアヤックスの監督に昇格した。すると、指導者としての才能はすぐに開花し、アヤックスの黄金期を作り上げている。とりわけ、94~95シーズンのリーグ無敗優勝とチャンピオンズリーグ優勝は、将来の名将入りを予感させるものだった。かの有名な中盤ダイヤモンド型3-4-3は、当時のファン・ハールの代名詞である。
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