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CL台風の目。数字が証明するPSGとアトレティコの強さ (2ページ目)

  • 中山淳●文 text by Nakayama Atsushi
  • photo by Getty Images

 ご存知の通り、パリ・サンジェルマンが"プチ銀河系軍団"に変貌したのは、3年前にカタール・スポーツ・インベストメントの資本となったためである。その豊富な資金力をバックに毎年戦力アップ。昨シーズンも、アンチェロッティ監督の下、CLでベスト8に進出している。

 そしてそのアンチェロッティがレアル・マドリードに去った今シーズンは、前フランス代表監督のローラン・ブラン監督が就任。すると、アンチェロッティ時代に積み上げた守備力をベースに、システムを4-4-2から攻撃的な4-3-3に変更し、圧倒的なボール支配率を誇るチームへと進化を遂げたのである。

 そのスタイルはデータにも表れている。これまで8試合で成功したパス本数は5238本を記録。これは同じ8試合を消化したバルセロナ(5579本)とバイエルン(5302本)に次ぐ数字であり、1試合消化が少ない4位レアル・マドリードの3771本、5位アーセナルの3763本との差を見ても、いかに高いボール支配率を誇っているかが分かる。

 また、枠内シュート数は105本のバイエルンと77本のバルセロナに次ぐ74本をマークしており、ゴール数ではバイエルンとバルセロナの20ゴールを上回る22ゴールを記録しているのだ(ちなみに現時点のトップは26ゴールのレアル・マドリード)。

 これは、グアルディオラ監督時代のバルセロナのサッカーを理想と掲げるブラン監督のチーム作りを客観的に表しているデータであり、今シーズンのパリ・サンジェルマンが単なるタレントの寄せ集めではないことの証とも言える。

 その中で、最大のキーマンとなっているのが中盤のセンターでボールをさばくチアゴ・モッタだ。ほとんどの試合で90%前後のパス成功率を誇るモッタは、まさしくチームの核。また、その両脇を精力的に動き回るマツイディとヴェラッティの存在も大きく、流動的にポジションを変えながらお互いがスペースをカバーするこの中盤3人のバランスこそが、パリ・サンジェルマンの生命線となっている。


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