前半と後半で別の顔。スペインがコンフェデで見せた「強さ」と「弱点」 (3ページ目)

  • 中山淳●取材・文 text by Nakayama Atsushi 松岡健三郎●撮影 photo by Matsuoka Kenzaburo

 だからこそ、それを見かねたウルグアイのタバレス監督は、2-0で迎えた後半からトップ下のガストン・ラミレスに代えてアルバロ・ゴンザレスを起用し、中盤をフラットにした4-4-2に変えて修正を図ったわけである。

 実際、反撃のためトップ下にディエゴ・フォルランを投入するまで、この采配は奏功した。前半のように、スペインにバイタルエリアを自由に使わせることがなくなり、悪い流れを断ち切ることに成功したのだ。逆に、スペインはW杯ヨーロッパ予選時のように、フィニッシュの前段階で手詰まりとなるシーンが増えるようになっていた。

 その点からすると、このウルグアイ戦を終えただけで、今大会のスペインが盤石だとは言い切れなくなる。これが、ブラジルやイタリア、あるいはメキシコと対戦した場合、果たしてスペインはこの日の前半のようなパフォーマンスを継続できるのか、という疑問だ。

 気になるのは、今大会ではボランチのシャビ・アロンソが故障のために欠場していることだ。シャビ・アロンソは、ショートパス主体のスペインの中で、唯一ロングパスを使ってサイドチェンジをする選手だ。

 スペースがない中、ショートパスだけで崩せなくなった時、密集地帯から一瞬にして広いスペースに展開するというアクセントは重要だ。それを失ったままのスペインが、ショートパスだけで強豪をねじ伏せることは簡単ではないはずだ。

 スペインがグループステージで残す試合はハイチ戦とナイジェリア戦ゆえ、その2試合で問題は発生しないだろう。よって、今大会のスペインに太鼓判を押せるか否か、その判断は、準決勝まで待つ必要がありそうだ。

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