前半と後半で別の顔。
スペインがコンフェデで見せた「強さ」と「弱点」 (2ページ目)
たとえば、立ち上がり10分のシーン。左サイドをジョルディ・アルバが攻め上がり、中央にいるイニエスタにグラウンダーのボールを入れると、イニエスタはそれをスルーし、背後にいたセスクがフリーでシュートを狙う。シュートはポストに弾かれたが、相手CB2枚とボランチの間のスペースを使った、見事な攻撃だった。
そして、そのシーンはスペインの2点目につながっていた。
前半32分、自陣でボールを奪った後のカウンターアタックだ。イニエスタから右サイドのペドロへ素早くつなぐと、ペドロは中央に走り込んでいたセスクにパス。受けたセスクがペナルティーエリア手前でシュート体勢に入ると、立ち上がり10分のシーンが焼き付いているウルグアイのCBふたりは揃ってシュートブロックに入ってしまう。
それを予測していたセスクは、その瞬間にキックフェイントを入れ、左前方でフリーになったソルダードにパスを送り、これをソルダードがフィニッシュ。まるで相手守備陣を弄(もてあそ)ぶかのようなゴールシーンだった。
とにかく、前半のスペインは面白いようにボールを回し、相手を揺さぶり続ける「究極のパスサッカー」を見せてくれた。2008年から始まったデル・ボスケ体制がややマンネリ化している最近の試合の中では、ベストパフォーマンスと言っていいだろう。
ただし、前半のスペインがこれだけのハイパフォーマンスを見せることができたのは、ウルグアイの戦い方にも原因があった。
スペイン対策の基本は、いかにスペースを与えず、ボール保持者に飛び込まないように我慢できるかにある。しかし、ウルグアイはボール保持者に対して1対1を仕掛ける南米式のディフェンスで真っ向勝負を挑んだ結果、スペインにいなされ、次々と裏を取られるという悪循環に陥っていた。
また、スペインにスペースを与えないためにはコンパクトにする必要があるのだが、ウルグアイが採用した4-3-1-2は、それとは相反するシステムゆえ、最終ラインと前線の距離が長くなって中盤4人がスペースをカバー仕切れないという状況が生じてしまっていた。
特にウルグアイのワンボランチのディエゴ・ロペスは、スペインのパス回しに翻弄されて自らの持ち場を留守にせざるを得ない状況となり、結果、何度もCBの前にガラ空きのスペースを作ってしまった。
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