日本人対決で乾貴士に手を焼いた内田篤人、「あいつ、狙ってる?」

  • 了戒美子●文 text by Ryokai Yoshiko
  • 木場健蔵●写真 photo by Koba Kenzo

再三にわたってマッチアップを見せた内田篤人(右・シャルケ)と乾貴士(フランクフルト)再三にわたってマッチアップを見せた内田篤人(右・シャルケ)と乾貴士(フランクフルト) すでにバイエルン優勝が決まり、消化試合と化したゲームが出始める中、4月20日に行なわれたフランクフルト対シャルケの一戦は、少なからずその勝敗が来季の自分たちを左右するものだった。

 フランクフルトは現在6位。今季昇格組としては大健闘ではあるが、一時はバイエルンに迫る勢いだったことを考えると、物足りない印象はぬぐえない。前半戦だけの順位を見ると4位だが、後半戦だけとなるとここまで14位。チームとしては何とか6位以内に留まり、ヨーロッパリーグ出場権を、できれば少しでも順位を上げチャンピオンズリーグ出場権を得たいところだ。

 対するシャルケは4位につける。目標は3位になってチャンピオンズリーグ本戦への出場権を確保すること。4位のままではプレイオフからの登場となり、シーズン序盤から日程が厳しくなる。上にいるドルトムント、レバークーゼンが転ばない以上、負けることはできない。

 シャルケの内田篤人は右SBで、フランクフルトの乾貴士は左MFで先発出場を果たしている。つまり彼らは同サイドで戦ったのだ。彼らが"直接対決"する場面は特に前半、多く見られた。

 立ち上がりはシャルケがペースをつかむ。だが14分、攻め上がった内田が、中盤とのパスがうまく合わずボールを奪われる。すると乾は一気にゴール前へ運び、グラウンダーのクロスを送った。28分にはフランクフルトの右サイドから長いボールが送られ、乾が走り込む。これはゴールポスト前で内田が防いだ。30分にはシャルケ陣内で乾の前のスペースに出たボールを内田と2人で追いかける。ここは内田が腕一本で乾を制した。

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