【イングランド】直接対決で完封。吉田麻也「毎試合、ヒヤヒヤしてる」 (2ページ目)

  • 了戒美子●文 text by Ryokai Yoshiko
  • photo by Getty Images

 だが、実際には思ったよりもフィジカルコンタクトは激しかった。試合中、審判の見えない場所での小競り合いが絶えない。もちろんセカンドボールの争いでも常に接触プレイ。吉田は前半31分に相手FWベンテゲとの接触で派手にひじうちを食らったのを始め、「合計3度、ひじが入った」と明かす。

「今日は3回エルボーをくらったのに無傷。ラッキーでした」と言いつつも「今日はもう少しカードが出ても良かった」と苦笑した。

 負けたくない両チームは、互いに似たような戦術を採用した。吉田の言葉を借りれば「こういう試合になるとリスクは負わないです。とりあえず前線頼み。求めてないから、中間のパスとかを」ということになる。アストンビラはベンテゲ、サウサンプトンはランバートという屈強な選手を前に置き、ボールを収める。そこに放り込み、あとはフィジカル勝負。ただ、前半からアストンビラのほうが守備にまわったときに少々ドタバタし、奪ってもまたすぐに取り返されるシーンが続いた。前半34分にはロドリゲスが倒されて得たPKをランバートが決めサウサンプトンが先制した。

 後半はアストンビラが攻めに転じる。特に試合終盤にはカウンターでゴールを狙うがGKのファインセーブやバーがサウサンプトンを救った。

 ヒヤヒヤしたか?との問いには、「もちろん。毎試合、してますよ」と、笑った。

 この後はFAカップで5-1と大敗したチェルシー戦、そして月末にはマンチェスター・ユナイテッド戦と強豪との戦いが続く。

「マンチェスター・ユナイテッド戦では、ファン・ペルシーが楽しみですね。彼、今がキャリアのピークなんだって、ウェブの記事で見ましたもん。そんな選手とやれるのは楽しみです」

 吉田選手のピークはまだ先?と問われると、「そうですね(笑)」という答えが返ってきた。笑いに包まれながら試合後の取材は終わった。吉田はサウサンプトンでさらにたくましく、図太くなっているように見えた。

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