2013.01.14

【イングランド】伝統の一戦に勝利のマンU。香川真司の試行錯誤は続く

  • 了戒美子●文 text by Ryokai Yoshiko
  • photo by Getty Images

リバプール戦に先発出場、76分までプレイした香川 伝統の一戦、マンチェスター・ユナイテッド対リバプール戦。香川真司は4-4-2の左MFで先発した。負傷からの復帰戦となったサンダーランド戦は4-2-3-1のトップ下、途中出場したウィガン戦はボランチだったが、5日に行なわれたFAカップウェストハム戦では左MF。香川の一番得意なポジションはトップ下ではあるが、要するにどこでもできなくてはいけないのがここでのサッカーだということが、この短期間だけみても分かる。

 この日の香川は運動量が多く、ゴール前に積極的に入っていった。タイミングも良く、体のキレも良さそうに見えた。左MFであることにこだわりすぎず、味方と入れ替わりながら自在に動き回った。ただ、どうしても味方とパスのタイミングが合わないシーンが目立つ。いったんはたいて動いてもリターンはもらえず、ペナルティエリア付近での動きは見てもらえない。

 マンチェスター・ユナイテッドといえども、やはりプレミアリーグのサッカーはスピード感とフィジカルコンタクトの迫力が求められる。観客が沸くのも、思い切ってスペースを駆け上がるような見ていて分かりやすいシーンや、激しい競り合い、もしくは一気に局面を変えるような長いパスであることが多い。それを、抜群の能力を持つ選手たちが真剣にやっているからこそ面白いのは確かだ。

 しかし、香川がしばしば口にする「自分のプレイスタイル」は、そのサッカーとは少々違うものであるように、この日はあらためて感じた。シュートを放つ直前に、ペナルティエリア近くでドリブルをしかけることはある。だが、中盤からボールを運んできて遠目からでもシュートを放つことは少ない。中盤では、パスで崩そうと近くに出すことはあるが、当然ながら攻撃のスピードが一旦落ち、全体のバランスを失うことになる。もしルーニーがいれば別なのだろうが、ルーニーを欠く今、香川は少々苦しげに見える。

「スタイルという意味では、個人の能力が高い選手が多くて、それがユナイテッドのサッカー。自分のスタイルでは孤立する場面が多いから、仲間との連係をとりたいところがいっぱいある」