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【クラブW杯】
「らしさ」を発揮して勝利。広島が見せたJ1王者の風格

  • 浅田真樹●取材・文 text by Asada Masaki
  • 佐野美樹●撮影 photo by Sano Miki

クラブW杯初出場の広島。青山のゴールでオークランド・シティに勝利したクラブW杯初出場の広島。青山のゴールでオークランド・シティに勝利した シュートを打ったMF青山敏弘自身も自画自賛する、驚きのスーパーゴールだった。

「あんな完璧なの(無回転シュート)も珍しい。本田圭佑に見てもらいたい(笑)。自分でもビックリするくらい、最後に(ボールが)落ちた」

 12月6日、横浜国際総合競技場でクラブW杯が開幕。J1王者のサンフレッチェ広島は、青山の決勝ゴールでオセアニア王者のオークランド・シティFCを1-0と下し、準々決勝進出を決めた。

 今季のJ1では優勝とともに、初のベスト11選出という勲章を手にした青山。この日もJ1での好調そのままに、ボランチの位置から攻撃を組み立てながら、最後は自ら決勝ゴールまで決めてしまった。まさに今が旬の、"持っている"選手である。

 しかし、そんな青山が試合を振り返り、一番に悔しがったのが、前半にあった自身のシュートシーンだった。

 試合開始早々の8分、MF森崎浩司からFW佐藤寿人にパスが出た瞬間、佐藤を追い越すようにスペースへ走り込んだ青山は、佐藤からのパスを受けてミドルシュートを放った。だが、その絶好のチャンスは惜しくもGKに防がれていた。

「あれを決めていれば、もっと楽なゲームだった」

 そう話す青山だが、彼がこの場面を悔しがったのは、シュートが決まらなかったことだけが理由ではない。何よりそれが「後ろから飛び出していくという、広島らしいチャンスだった」からだ。青山は言う。

「広島のよさは、全員が攻撃に絡んでいくところ。世界(が相手の舞台)で、それをより強く意識している結果、自分がゴールに絡むシーンも多いのだと思う。自分が勝手に(前線へ)上がるのではなく、全員でしっかりとした(攻撃の)絵を描きながらやれている」

 青山の言葉どおり、確かに広島のサッカーはJ1初制覇を経て、さらに成熟したように見える。

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