【CL】成績は上々でも実は苦戦続き。評価の難しい今シーズンのバルセロナ

  • 浅田真樹●取材・文 text by Asada Masaki
  • photo by Getty Images

チャンピオンズリーグのセルティック戦で後半、試合終了間際に勝ち越しゴールを決めて勝利したバルセロナチャンピオンズリーグのセルティック戦で後半、試合終了間際に勝ち越しゴールを決めて勝利したバルセロナ 今季のバルセロナは評価が難しい。

 10月23日に行なわれたUEFAチャンピオンズリーグ(以下、CL)のセルティック(スコットランド)戦は、それを象徴するような試合だった。

 結果から言えば、バルサは2‐1でセルティックを破った。これでCLは、グループリーグ3試合を終えて3連勝。加えてリーグ戦(リーガエスパニョーラ)でも、7勝1分けの無敗で首位を走る。

 ボール支配率で相手を圧倒するのは相変わらずだし、得点も多い。数字に関しては、文句をつけようがない。

 しかし、問題は内容である。

 ボールは保持しているものの、相手の守備ブロックの中へ入っていけず、ブロックの外でパスを回し続けるケースが非常に目立つのだ。

 セルティック戦でも、相手の守備ブロックの中でパスを待っているのはメッシだけ、というシーンが多かった。しかも、なかなかパスが回ってこない状況に焦れて、メッシまでボールを受けに下がってきてしまうと、いよいよ誰もいなくなった。

 セルティックが自陣の低い位置にコンパクトなブロックを形成していたため、DFラインの裏にほとんどスペースがなかったこともあるが、それにしても、これでは相手の脅威とはなりえない。

 ならば、いっそ押し込んでしまう前に勝負しようと、ボールが中盤にあるうちに、両サイドからアレクシス・サンチェスとペドロがDFラインの裏を狙って走るのだが、これもなかなかチャンスには結びつかなかった。

 昨季の同じ時期を振り返り、なぜバルサがあれほど強かったのかを考えると、相手の「守備を固める」という作戦を無力化させることができていたからだ。

 ゾーンディフェンスの間に生じる、わずかなスペースに入り込み、パスをつないでゴールに結びつける。こじ開けるという表現が無粋に感じるほど、難なく相手の守備ブロックを突破していったものだが、今季のバルサにそんな攻撃は見られない。

 また、失点が多いのも、今季のバルサの特徴だ。

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