【イタリア】ミラノダービー直前!ミランは息を吹き返したか?
イタリア代表デビューも果たした期待の星、エル・シャラーウィ(ミラン) 10月3日、チャンピオンズリーグのゼニト(ロシア)戦で大きな白星を手にしたミランのガッリアーニ(CEO)は言った。「ここ数日は、ベンチの話題は聞こえなくなるだろうね」
この言葉には皮肉の中に安堵の本音もありそうだ。次期監督候補として彗星のごとく現れたインザーギと現監督アレグリの口げんかにスポットライトが当たったり、試合当日のこの日も「グアルディオラを迎えるべくベルルスコーニが直々にプロジェクトを進行」と報じる新聞があるなど、シーズンが始まったばかりだというのに、「アレグリはいつまで持つか?」と、「次の監督は誰か?」がミランに関する話題の中心にあったからだ。
チアゴ・シウバ、イブラヒモビッチという大黒柱が抜け、アンブロジーニを除いて古株が全員去り、カッサーノはよりによってインテルへ移っていったミランに対して、開幕前から向けられていた落胆と不安の入り混じる懐疑心は、開幕からホームで2連敗という成績によって深まっていた。4節のウディネーゼ戦に敗れて今季3敗目となると、ガッリアーニは試合直後に速攻で「アレグリ続投」を表明し、監督更迭論の火がさらに燃え上がるのを食い止めなければならないほどだった。
5節カリアリ戦で今季ホーム初勝利をようやく手にしたが、モットーである"美しいサッカー"をかなぐりすてた"勝てばいい"というサッカーに、ミランの質がいかに低下したかを嘆く声が上がった。しかし、この勝利が窒息状態だったミランにひと呼吸をつかせ、ひとつのターニングポイントになったのである。
とりわけ、この試合で2得点叩き出し、肩にかかっていた重圧をおろした19歳のエル・シャラーウィが本来の力を取り戻したのは大きい。続く前節(9月29日)パルマ戦でも先制点をあげた彼は、ゼニト戦でもドリブルから見事なゴールを決め、最近3試合で4得点。ミランで最も危険な存在になっている。
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