【ベネズエラ】日本代表と対戦。強化に成功した名将ファリアスとは? (2ページ目)
ベネズエラ代表が好調なのは、優秀な選手が増えたことが大きな理由だ。しかしその一方で、最大の功労者は監督のファリアスともいえる。まだ39歳と若い彼は、ベネズエラのサッカー史を次々と塗り替えてきた。
プロ選手としての経験がないファリアスが、当時2部リーグだったヌエバ・カディスの監督に就任したのは、なんと22歳のときだった。野球がナンバーワンスポーツで、サッカー文化が育っていない当時のベネズエラとはいえ、これは異例のこと。周囲の監督が経験主義の元選手ばかりの中、彼は貪欲にコーチング理論を学びながら指導を続けた。
先述のアランゴは17歳のときに同クラブでデビューし、ファリアスによってその才能を大きく開花させた。そして98年には2部で優勝を飾り、その後は1部リーグで4チームを率いて名実ともに一流監督となった。
代表監督就任は08年1月。前監督の辞任により、協会が彼に白羽の矢を立てた。その年の6月には、アメリカで行なわれたテストマッチでブラジルを2-0で下している。これは18戦目にしてのブラジル戦初勝利という歴史的快挙だった。
これが自信となったか、南アW杯予選の最終節では、アウェーでブラジルと引き分けている。さらに同予選では、高地ラパスでボリビアからも初勝利と初モノが続く。さらに、U-20代表も率いていた彼は、南米予選を4位で突破し、09年、エジプトで開催されたU-20W杯に出場を果たしている。これはベネズエラにとって、各年代を通じて初のW杯だった。
そして昨年はコパ・アメリカで初の4位。まさに"ファリアスマジック"といったところで、国民は彼がブラジルW杯への扉を開けることを信じている。日本にとっても、あなどれない相手になるはずだ。
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