2012.08.14

【ベネズエラ】日本代表と対戦。強化に成功した名将ファリアスとは?

  • 三村高之●文 text by Mimura Takayuki
  • photo by Jorge Mimura

『野球の国』のベネズエラ代表を変えたセサル・ファリアス監督 オリンピックの余韻が冷めやらぬ中、A代表は9月11日に行なわれるW杯最終予選のイラク戦に向け、15日に札幌ドームでベネズエラ代表と対戦する。

 長年の間、”南米最弱”“南米の草刈り場”という位置に甘んじていたベネズエラだが、近年は急激にレベルアップし、昨年のコパ・アメリカでは堂々の4位に入った。W杯予選では現在5位とプレイオフゾーンに入っている。

 来日するメンバーを見ると、正GKのベガと、守備の中心でありセットプレイからの得点源でもあるビスカロンド、さらに攻撃的MFリンコンが不在で、W杯予選出場経験者は全20人中、11人にとどまる。もっともこれは選手コンディションや所属クラブの事情によるもので、若干のテスト要素はあるものの、現時点ではベストに近いメンバーといっていい。ベネズエラも9月7日にペルー戦、11日にパラグアイ戦とW杯予選を控えており、このキリンチャレンジカップを重要な試金石と考えている。

 ベネズエラ代表の愛称は”ビーノ・ティント”(赤ワイン)。これはユニホームの色から来たものだが、以前は対戦国から「美味しい相手」という侮蔑の意味を込められたこともあった。しかし現在は多くの選手が外国のクラブでプレイしており、今回のメンバーも17人がヨーロッパ組となっている。

 注目選手は、ビーノ・ティントの顔である攻撃的MFのアランゴだ。2000年に代表デビューして以来106試合に出場し、弱い時代からチームを引っ張ってきた。果敢な突破からのシュートやFKでゴールを脅かす。

 このアランゴからのスルーパスやアーリークロスをしばしば得点に結びつけるのは、22歳のFWロンドン。先頃スペインのマラガから、1000万ユーロ(約9億5000万円)でロシアのルビン・カサンへ移籍した。ヘディングが強いうえ活動量も多く、前線で圧倒的な存在感を発揮する。