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【EURO】レアルでのスタイルと真逆?
ポルトガルを4強に導いたロナウドの献身

  • 浅田真樹●取材・文 text by Asada Masaki
  • 原壮史●写真 photo by Hara Masashi

4強進出を決め、チームメイトと喜ぶC・ロナウド4強進出を決め、チームメイトと喜ぶC・ロナウド
 負けたら終わりの決勝トーナメント。そんな一発勝負特有の重苦しいゲーム、と言えば、たしかにそうだったのかもしれない。

 ユーロ2012の準々決勝第1試合、チェコ対ポルトガルは、立ち上がりからどちらも攻撃の形が作れず、決定機はおろか満足にシュートすら打てなかった。前半のシュート数はポルトガルが5本、チェコはわずかに1本。枠内シュートはポルトガルに1本あったのみだ。

 ただし、それを両チームが慎重に試合に入った結果と見るのは、少々選手たちに敬意を払い過ぎているように思う。

 もちろん、互いが無理をして攻撃に出ていかなかった面はあるにしても、どちらもイージーミスからボールを失うケースが多すぎた。これではチャンスなど作れるはずがない。

 ともに攻撃にメリハリがなく、ボールが両チームの間を所在なく行ったり来たりするシーンが多かった。とりわけ前半に関して言えば、準々決勝としては退屈なゲームだったと言わざるをえない。

 しかし、そんな試合展開のなかでも違いを生み出せるのが、スターのスターたるゆえんである。言うまでもなく、クリスティアーノ・ロナウドのことだ。

 すでに前半から、ロナウドの献身的な動きは目立っていた。

 レアル・マドリードであれば、前線で待っていても、自分にボールを届けてくれる選手がいくらでもいる。攻撃の組み立てに加わる必要はなく、ゴールすることに集中してプレイすればいいのだろう。

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