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【EURO】レアルでのスタイルと真逆?
ポルトガルを4強に導いたロナウドの献身 (2ページ目)

  • 浅田真樹●取材・文 text by Asada Masaki
  • 原壮史●写真 photo by Hara Masashi

 しかし、ポルトガル代表ではそうはいかない。

 中盤の組み立てにも顔を出し、チャンスメイクをし、フィニッシュにも絡まなければならない。自分がやらなければならない仕事は多い。少なくともロナウド個人は、そう考えているように見える。

 その姿勢は評価に値するし、ふんぞり返ってボールを待っているよりは圧倒的に好感が持てる。

 ただ残念なのは、そんなロナウドの動きを、ポルトガルがチームとして有効に生かし切れていないことである。

 中盤のつなぎに顔を出しながらも、チャンスと見るや、ゴール前に全速力で走り込む。スタミナの面でも、瞬発力の面でも、ロナウドの能力は抜けていた。それが見えているだけに、虚しさもまた覚えてしまうのだ。
 
 それでも、後半のポルトガルには、いくらかの改善が見られた。ロナウドが中盤のつなぎに加わることでパスがうまく回るようになり、何度もチェコゴールに迫った。後半だけでポルトガルが放ったシュートは、実に15本。しかし、そのほとんどが精度を欠き、大きく枠を外れた。

 攻めているわりにゴールの匂いがしない。それが試合を見ていての、率直な印象だった。

 となれば、最後はロナウド自らが仕留めるしかない。その可能性が最も高いのはFKだったのだろうが、ロナウドはヘディングもうまい。案の定、ロナウドはジョアン・モウチーニョのクロスに飛び込み、強烈なヘディングシュートを叩き込んだ。

 ようやくロナウドの姿勢が報われた。そんなシーンだった。

 ゴール後のロナウドは、気のせいか、レアルのときよりも、幾分うれしそうに見えた。その気になれば、いくらでも取れてしまうゴールと、いかに1点を奪うかに悩み、苦労に苦労を重ねた末のゴールの違い、ということだろうか。

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