2012.06.16

【EURO】ウクライナを粉砕。新生フランス、優勝候補に名乗り

  • 了戒美子●文 text by Ryokai Yoshiko
  • photo by Getty Images

先制ゴールを決めたジェレミー・メネスはパリSG所属、『ジダンの後継者』の片鱗を見せた フランスがようやくお目覚めか。このウクライナ戦で無敗記録を23試合に更新。ブラン監督就任以降の好調さは継続中だ。だがW杯、ユーロといった大舞台での勝利となると実に6年ぶり、ドイツW杯以来のことになる。

 今大会初戦では、イングランド相手に圧倒的に試合を進めながらもドローに終わっていただけに、いやなムードが漂いかねなかった。しかもこの日は開始5分で落雷を伴う豪雨のため試合が一時中断。ブラン監督は「少々いやな感じがした」と語る。

「イングランド戦も前半はよくはなかった。今日もこんな天候で、よくない前半になるのではと思った。ただこの試合に向けて準備をしてきたから、とにかく中止にだけはして欲しくなかった。勝利は6年ぶりだが、次の勝利が6年後なんてことにならないようにしないと。その頃には私はクビになっているだろうし」

 ウクライナとの力の差は歴然だった。格下の相手に勝利することで勢いをつかみ、このまま決勝トーナメントを勝ち進んでいく可能性が見えてきた。

 この日はイングランド戦から布陣を若干変更。ボランチを2枚にし、左サイドバックにクリシー、2列目の右にメネスを配した。最終ラインが高く、ピンチになると中央に密集するウクライナの裏を突くためだという。

 攻撃の意図が明確になっていることで、安定した試合運びになった。1トップと2列目は比較的、自由に動き、左右に揺さぶってゴールを陥れる。そんな意図通りの展開が多く見られた。「(前半は)得点こそなかったが、我々が勝つことは分かっていた」と、ブラン監督。それはけっして強がりでも楽観でもなく、この日はまさにそんな試合運びだった。