【ドイツ】香川真司が語った「ドルトムント序盤戦の苦闘」

  • 了戒美子●文 text by Ryokai Yoshiko
  • 木場健蔵●写真 photo by Koba Kenzo

 0-1で敗れた序盤のホッフェンハイム戦。香川のプレイも精彩を欠いた 0-1で敗れた序盤のホッフェンハイム戦。香川のプレイも精彩を欠いた2011~2012香川真司語録(前編)

 終わってみれば、ドルトムントでの2シーズン目も香川真司は大活躍を見せた。

 だが、序盤戦はチームも香川自身も間違いなく苦しんでいた。「前半戦MVPを獲得した先シーズンの自分がプレッシャー」などと、少々弱気に話していた。そこまでの活躍が今季の自分にも期待できるのか否か。自分自身を信じることができないようでもあった。

 その一方で、前半戦終了間際には「後半戦になったら必ず良くなる」と、まるで自己暗示をかけるかのように口にし続け、実際にその言葉通りになっている。いつ頃から調子が上向き、ポジティブな言葉が増えだしたのか。そしてドルトムントと彼の成績は上向いていったのか。香川のコメントとともに振り返ってみたい。

 開幕前の香川は、客観的にチームを捉えていた。7月、リーガトータルカップというプレシーズンのカップ戦後のことだ。

「去年はヌリ(・シャヒン)がいたから、"そこに入ったら(攻撃が始まる)"というスイッチになっていた。だけど今年はそういう存在がいない。マリオ(・ゲッツェ)がプレイしている時間帯はうまくいっていたけれど、そうでないときはなかなかうまくいかない。だからオレがそのスイッチになってもいいし、他の誰かが流動的にそれをしてもいいと思う。ただ、できるだけゴールから離れない位置というのは意識していきたい。(大会ではサブメンバーが活躍し)どのメンバーが出てもドルトムントのサッカーができているというのは層が厚いということだし、自信になる。でも、僕自身はもっと良いプレイをしないと」

 そしてはっきりと語った。

「今季の目標は、内容も結果も去年以上のものにすること」

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