2012.03.31

【イタリア】インテル監督交代は長友佑都にとって吉と出るか凶と出るか

  • 内海浩子●文 text by Uchiumi Hiroko
  • photo by SINO/FOOTBALL PRESS

ユベントス戦に出場した長友。試合は0-2で敗れ、翌日、監督交代が発表された セリエAのベンチに座るのは監督になった者の夢である。インテルのようなビッグチームの椅子ならなおさらだ。

 今もローマ弁が抜けない”ストラマ”ことストラマッチョーニが北イタリアのミラノへやって来たのは昨年夏のこと。それまでの彼は、ローマ・アリエービ(ジュニアユースの年代に相当)の監督として名を上げていたものの、目指すプリマベーラ(ユース)への昇進はアルベルト・デ・ロッシ(デ・ロッシの実父)の存在に阻まれていた。その野心を満たすポストをインテルが用意してくれたのだ。この時、8ヵ月後にトップチームの鍵を渡されようとは、夢にも思わなかったに違いない。

 スクデット争いからは早々に離脱し、3位以内に入ることすら奇跡中の奇跡。ヨーロッパリーグ出場には魅力を感じていないインテルに、今季の現実的目標は何も残されていない。そんなチームの”暫定監督”として持ち駒であるプリマベーラの監督が”昇格”するのは別に珍しいケースではない。

 だが、今季セリエA最年少監督(36歳)となった彼を”トラゲッタトーレ”(つなぎ役)と呼ぶ声は今のところあまり聞こえてこない。人の心に希望を灯すシンデレラストーリーだから、皆もしばしそれに浸りたいからかもしれない。実際、選手たちにもマスコミにもポジティブインパクトを与えたことは確かである。

 初戦となるジェノア戦は4-3-3を採用するようだが、現戦力から見て、スナイデル復帰後は中盤ロンボ(ひし形)でくるはずだ。いずれにせよストラマッチョーニは4-4-2を好まないと聞いているので、現段階で想定されるシステムにおいて長友の居場所はSBということになる。だが新監督はサネッティを左SBに置いており、右にマイコンがいることを考えると、コンスタントな出場を狙う長友にとっては限られたチャンスを確実に生かさねばならない厳しい状況となるだろう。