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【Jリーグ】ナビスコカップ優勝でオシムの目に涙 佐藤勇人「胴上げしようとしたら、めちゃくちゃキレられた」 (3ページ目)

  • 原山裕平●取材・文 text by Yuhei Harayama

【オシムさんは監督以上に教育者】

── それも愛情の裏返しでしょうか?

「オシムさんは、若い選手が活躍して潰されていくのをたくさん見てきたので、調子に乗らないようにあえて厳しく接したのかもしれませんね。一度、(サンフレッチェ広島にいる)寿人との双子対決の試合があって、僕が2点を決めて勝ったんです。それで試合後にメディアの人にずっと囲まれて、いろいろ聞かれたので話していたんですが、突然オシムさんが自分のうしろに来て、思いっきりお尻を蹴られましたから。早くバスに乗れ、みたいな感じで」

── そのあたりもちゃんと管理されていたわけですね。

「正直、納得いかなかったですけどね。2点決めてチームを勝たせたと思っている自分が、いきなり蹴られて怒られるわけですから。

 たぶんオシムさんは、サッカー選手の佐藤勇人とは見ていないんですよね。22歳の佐藤勇人として、この選手が人間としてどれだけ成長できるかを考えてくれている。自分が調子に乗らないように、律してくれていただけなんだと、あとになって思うことができました」

── まるで、先生のようですね。

「オシムさんは監督以上に教育者だと思っています。でも、それは僕ら選手だけじゃなくて、クラブスタッフにも、サポーターやファンの人たちにも、地域の人たちに対してもそういうふうに接していたので、そう感じた人はたくさんいると思います」

── 結果的にオシムさんの下ではリーグ優勝を成し遂げられませんでしたが、就任3年目の2005年にナビスコカップでクラブ初となるタイトルを獲得しました。

「やっぱりリーグタイトルを獲りたい、獲らなくちゃいけないという思いはあったんですが、大事な試合を落としてしまって、そこにたどり着けなかったのは僕らの力不足だったと思います。

 ただ、オシムさんは率いたチームですべてタイトルを獲得してきた監督なので、ナビスコカップを獲れたことは最低限の成果を出せたと思っています。決勝の相手はガンバ大阪だったんですが、試合もそうですけど、試合前日の前夜祭が印象に残っていますね」

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