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【Jリーグ】ストイコビッチは怒りを全身から放っていた 名将オシムと重ねて見えたピクシーの監督論 (3ページ目)

  • 戸塚 啓●取材・文 text by Kei Totsuka

【リスペクトがなければ、結果は出ない】

 グランパスの監督就任1年目だった2008年は、前年11位だったチームを3位へ押し上げた。翌2009年はアジアチャンピオンズリーグでベスト4へ食い込み、2010年はグランパス初のJ1リーグ制覇を成し遂げた。確実に結果を残してきた。

「そのあたりの道を歩いている誰かがパッとここへやってきて、チームを率いるなんてことはできない。監督と選手の間には、リスペクトがなければならないから。それは勝手についてくるものではなく、信頼や信用によって生まれるもの。

 ノー・リスペクト、ノー・リザルト、ノー・ワーキング──リスペクトがなければ、結果は出ない。いい仕事はできない。選手と私の間でお互いにいい理解ができているとすれば、それこそがこのチームの力の源(みなもと)だと思うね。

 まあ、私自身は自分のことを話すのは好きではないし、そもそもそれはとても難しい。私について何か聞きたければ、選手かコーチに聞いてくれたほうがいい。私が興味を抱いているのは、強いチームを作るために、いいマネジメントをすること。ベストの仕事をするだけだから」

 こちらが質問をして答えてもらうというやり取りを重ねるうちに、ピリピリという音がするような緊張感は抜け落ちていった。2026年現在も箴言(しんげん)となるようなものが、僕のICレコーダーには録音された(ここで紹介したいものが、もっともっとある!)。

 30分ほど前より明らかに穏やかな表情で、ピクシーはソファーから立ち上がった。洗練された身のこなしでドアへ向かう。

 カッコいいな、と思った。

著者プロフィール

  • 戸塚 啓

    戸塚 啓 (とつか・けい)

    スポーツライター。 1968年生まれ、神奈川県出身。法政大学法学部卒。サッカー専誌記者を経てフリーに。サッカーワールドカップは1998年より7大会連続取材。サッカーJ2大宮アルディージャオフィシャルライター、ラグビーリーグワン東芝ブレイブルーパス東京契約ライター。近著に『JFAの挑戦-コロナと戦う日本サッカー』(小学館)

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