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日本のブラジルからの初勝利を喜ぶジョルジーニョ「W杯で準々決勝に進出しても良い時期」 (2ページ目)

  • 藤原清美●取材・文 text by Kiyomi Fujiwara

【「日本の選手たちは勝負どころを心得ている」】

――アンチェロッティが就任するまで、ブラジル代表の問題はなんだったのでしょう。

「過去3人の監督人事のプロセスが間違っていた。ブラジルサッカー連盟は、当時の会長が監督を決めた後で、ディレクター陣と契約していたんだ。逆だよ。サッカーで長く仕事をしているディレクターたちが、きちんと分析して監督を決めるべきなんだ。

 ジニスはクラブとブラジル代表の監督を兼任した。事情はあったと思う。連盟はアンチェロッティを招聘したいという前提で、他の監督を探したわけだから。でも、結局は両方の仕事の妨げになった。彼自身に意欲があったとしてもね。

 ドリヴァウはクラブの監督として多くのタイトルを獲り続けている監督だ。本来なら必要な戦術を見出し、勝てるチームを作れるはずなんだけど、時間が足りなかった。それが代表チームなんだ。ただ、彼が世代交代のプロセスのなかで、代表経験のなかった多くの選手を初招集したのは大事なことだ。期待に応えた選手たちは、アンチェロッティのチームにも活かされていくことだろう」

――では、近年の日本の成長の鍵となったのは何だと思いますか?

「チーム力だ。僕が選手や監督として日本で仕事をしていた時は、いつでも日本人選手たちを戦術的により良くオーガナイズしようとしていた。Jリーグが開幕した1993年からの成長のプロセスがあって、今、モリヤス監督はすばらしい組織力を持つチームを、作り上げることができたんだ。

 しかも強豪との対戦でも、攻撃的にプレーし、試合の主導権を握ろうとした。勇気があるんだ。ブラジルがミスをしたから日本が勝ったわけじゃない。日本はそのミスを誘い出し、活かす力があったんだ。

 それは長年、ひとりの監督を維持したことも大きいし、日本人監督であることも重要だ。文化、そして全ての選手のことを理解している」

――具体的には、どういうところを見て成長したと思いましたか?

「選手たちが、勝負どころを心得ているようだった。たとえば、落ち着いてボールをキープする時、カウンターアタックを仕掛ける時、スピードアップが必要な時、それぞれに正しく動いていた。ポジショニングにも経験が増したことを感じさせた。

 2005年のコンフェデレーションカップでのブラジル対日本戦を思い出したよ。ジーコが監督を務めた日本は、高い技術力を活かし、ブラジルに攻撃を仕掛けてきた。ジーコは選手の創造性を発揮させるプレースタイルが好きだったからね。

 ただ、犯してはいけないミスもいくつかあった。日本は技術力が高い選手が多いから、高揚して攻撃に出てしまい、オープンになり過ぎる傾向があった。あの試合でも、右SBが戻るべき時に戻らなかったことで、失点を招いたんだ。当時はまだ経験が足りていなかった」

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