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「F・マリノスでプレーできることを感謝している」ジャン・クルード、最近のお気に入りは「あさり塩ラーメン」 (2ページ目)

  • 舩木渉●取材・文 text by Funaki Wataru

【「日本でプレーしたいなら、もっと真剣に向き合うべき」】

「9月にトーゴ代表合宿に参加した時、コジョ・ラバが『日本の選手はよく走るし、質が高い』と言っていた。彼はアル・アインで、今はサンフレッチェ広島にいる塩谷(司)とチームメイトだったことがあって、『あいつは練習でも試合でも抜群だ』と絶賛していたんだ。僕もUAEで実際に塩谷を見た時に、本当によい選手だと思った。両足を遜色なく使え、フィジカルも強い。試合の流れを的確に読み、状況に応じてどんなプレーをすればいいのか、深く理解している。

 日本の選手を軽く見るのはやめたほうがいい。多くの人々はその実力を正しく評価していないと思う。Jリーグも含めて日本人選手たちは、間違いなく世界最高のレベルにある。それはトーゴ代表のチームメイトたちにも正直に話している。

 時々、代表の仲間に『俺も日本でプレーできるかな?』と聞かれるけど、『それは本気か?』と返すようにしている。もし日本でプレーしたいなら、もっと真剣にフットボールと向き合わなければならない。決して偉そうに言っているわけではなく、Jリーグでプレーしていると『ここで2年間しっかりとプレーできれば、世界のどこでも通用する』と感じるんだ。

 仮にスペインやイングランド、ベルギーでプレーしてからJリーグに来ても、簡単には通用しない。ヨーロッパのサッカーを見るとスペースがものすごくたくさんあるけれど、日本ではスペースも時間も全然ないから本当に難しいんだ。多くの人々はそれを知らないから、正しい評価ができていないと思う」

 かつてはヨーロッパでの成功を夢見たが、F・マリノスに来て目標が変わった。日本で、可能ならF・マリノスでできる限り長くプレーしてタイトル獲得に貢献すること。「日本は第2の家になった」とまで言うジャンは、トーゴ代表の活動に参加するのがどんなにキツかろうと母国とF・マリノスのために戦い続けるつもりでいる。

「僕にとっては『リスペクト』がとても重要だ。リスペクトがない国に行くと、まるでその国と戦いに来たような気持ちになる。ウクライナにいた時は、レストランで食事をしているだけで人々がこちらをじっと見てきた。でも、日本では誰もそんなことは気にしないし、プライベートな領域を尊重してくれる。

こうした文化は本当に素晴らしいと思うし、僕も家族も幸せに暮らせているよ。それに僕は苦労してきたからこそ、プレーするならより良い場所を選びたい。それが日本を選んだ理由であり、決断は間違っていなかったと断言できる。

 もし僕にチームを助けられる可能性があって、必要とされるならF・マリノスという素晴らしいクラブで可能なかぎり、長くプレーしたい。最高のチームメイトやサポーターと共にタイトルを獲りたい。今や日本、そして横浜は、僕にとって第2の家と言える場所だから」

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