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サッカー天皇杯は連覇が非常に難しい大会 その歴史のなか5大会連続で決勝を戦ったチームがある (2ページ目)

  • 後藤健生●文 text by Goto Takeo

【実力伯仲のJリーグクラブ】

 欧州のいわゆる「5大リーグ」では財政規模の大きなクラブがほぼほぼタイトルを独占している。イングランドのプレミアリーグでは優勝を狙えるクラブはほんの一握り(「レスターの奇跡」という例外はあるが)。スペインのラ・リーガではタイトルは2大クラブが独占している。

 それに対して、興亡が激しいのがJリーグだ。「Jリーグは上位と下位の力の差が小さい」と、外国人監督はよく口にする。昨年残留争いに巻き込まれていた柏レイソルは今季優勝争いの渦中にいるし、かつての王者横浜F・マリノスはようやく残留を決めたばかりだ。

 そんな実力伯仲のなか、ノックアウト方式のカップ戦を勝ち抜くのは容易ではない。サッカーという番狂わせの多い競技では多少の実力差は戦術的工夫で引っ繰り返せるし、運不運で勝敗が分かれることもある。まして、リーグ戦と並行して、ターンオーバーを使いながら勝ち抜いていくのは簡単なことではないのだ。

 1993年にJリーグがスタートして以来、天皇杯で連覇を記録した例は2005年と06年の浦和レッズ、2008年と09年および2014年と15年のガンバ大阪だけしかないのである。

 強かったヴェルディ川崎(現・東京ヴェルディ)も、最多のタイトル獲得数を誇る鹿島アントラーズも、「黄金時代」と言われたジュビロ磐田も天皇杯連覇は達成できなかった。

 だから、過去7大会で3度決勝に進出し、2度の優勝を飾っている神戸はカップ戦に強いチームと言っていいわけだ。

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