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【Jリーグ】キム・テヒョンが鹿島アントラーズで感じる伝統の力「トレーニングから試合のような雰囲気がある」 (2ページ目)

  • 吉崎エイジーニョ●取材・文 text by Yoshizaki Eijinho

【鹿島の強さの秘訣を痛感する日々】

 チームには植田直通、関川郁万という盤石のセンターバックコンビがいる。鬼木達監督が「まだまだ若いので、これから」(10月5日のガンバ大阪戦後)と評価したとおり、キム・テヒョンはふたりのバックアップという位置づけだった。確かに関川が負傷する5月上旬までは、カップ戦が主戦場となっていた。

「鹿島に来て、競争が必要な状況でした。以前とは違い、『まずいい準備をしよう』と考えられるようになりました。僕自身の過去の失敗から得た経験もありますが、クラブの伝統がそう思わせてくれた面もあります。『ここで試合に出続けられれば、選手としての価値がまた変わる』と思える環境なのです」

 内側からあらためて見る、鹿島の強さの秘訣を痛感する日々だ。

「今季序盤、ベンチにいた時からいい意味でのプレッシャーがすごかったんです。サポーターの雰囲気がやっぱりとてもすごい。タイトルを目指さなければならず、毎年のようにそれを続けていかないといけない。その期待をひしひしと感じるクラブです。実際にピッチでプレーしてみても、その期待感はすごくて」

 トレーニングでも「伝統」の力をひしひしと感じ取っている。

「もちろんどの日本のチームでもトレーニング中から激しく、強くぶつかってやるんですが、鹿島の場合は『試合のような雰囲気』がありますね。本当にミスをしちゃいけない、そういう雰囲気もあります。選手同士も仲間であることには違いない。でも喧嘩してでも意見を疎通し合っています。それほどまでに練習からやっているから、強い気持ちで試合に臨めるんです」

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