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セレッソ大阪に入団した久保建英の弟 レアル・ソシエダの顔が語る「エイジはどんな選手か」 (2ページ目)

  • 小宮良之●文 text by Komiya Yoshiyuki

【シャビ・アロンソと同じポジション】

「エイジはタケ(久保建英)とは違う。ドリブルで切り込んでいくような選手ではない。ただ、日本人の選手の多くがそうであるように、俊敏だし、技術的にも高く、プレービジョンもあると感じた」

 エチャリは、現地でシャビ・アロンソを発掘した慧眼として知られる。18歳でアンティグオコ(当時、ラ・レアルが提携していたユースクラブ。チームメイトにアーセナルの監督であるミケル・アルテタがいた)に入団した当時、実は兄のほうが評価は高かったが、エチャリは「アロンソは見えている景色が違ったし、それを実現するだけの技術を獲得していた。モノが違った」と将来性の高さを誰よりも見抜いていた。

 1年目のアロンソは不遇を受けたが、2年目に2部エイバルに貸し出されてから半年で戻ると、中盤に君臨するようになった。

 久保瑛史のポジションはアロンソと同じアンカーが基本だが、ボランチ、もしくはインサイドハーフも担当できるタイプだろう。ラ・レアルは過去、ミケル・アランブル、アシエル・イジャラメンディ、マルティン・スビメンディなどのプレーメイカーを輩出しており、その系譜と言える。単純な比較は避けるべきだが、スビエタがそうした有力な司令塔を生み出してきたことだけは間違いない。

 久保瑛史が、Jリーグで勇躍する可能性は十分にある。

 しかしながら、ユース年代でやっていたプレーはトップでは通用しない。駆け引きや強度がまるで違う。ひとつの技術は通用するかもしれないが、それを90分、1シーズン続けるのは簡単ではない。現時点ではあくまで17歳の少年で、楽観論を煽るのは控えるべきで、まずは見守るべきだろう。もし、彼が大人を相手にも対等のプレーができるのだとしたら、サンセ(ラ・レアルのBチーム。現在ラ・リーガ2部)で出場機会を与えられていたはずだ。

「ユース年代の選手は各カテゴリーを上がりながら、力を証明し続けるしかない。そうした選手だけが、トップチームで出場会をつかめる。才能がある、というのは、必ずしもトップで活躍できる、ということではない」

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