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川崎フロンターレ・小林悠が大学時代、サッカー部の先輩に向かって「ちゃんと部活やれよ!」と言った理由 (4ページ目)

  • 原田大輔●取材・文 text by Harada Daisuke

【意識を変え、訴え、周りを巻き込んだ】

 選抜チームに選ばれたメンバーは、いずれもプロに進むような選手ばかりだった。プロになる同世代と互角に戦えたことは、大きな自信につながった。高校2年と3年では、県予選に臨む自信が大きく違っていたように、選抜チームで得た自信は、小林を大きく飛躍させた。

「そこから明確にプロを目指すようになりました」

 さらに意識が変わると、練習の姿勢だけでなく、栄養面も気にするようになった。

「食事についても、たとえばみんなは天ぷらうどんとかを食べていたとしても、自分はうどんと一緒にサラダも食べたり、タンパク質を摂るようにしたり。大学生なので、知識のないなりに調べたりして、プロになることをイメージして過ごすようになりました」

 当時はまだ付き合い始めたばかりだった妻が、栄養学を学んでいると聞けば、気になったことを質問して、参考にできることは取り入れた。

 2年生の時にリーグ戦で13得点を記録すると、3年生では19得点を決めて関東2部リーグ得点王に輝く。4年生になったばかりの4月には、川崎への加入を発表し、プロへの道をこじ開けた。

「高校時代は、やっぱりまだ、監督に言われたことをやっているだけのところがありました。でも、大学の玉井朗監督は多くを言わず、サッカーにおいても、選手自身で考えることに重きを置いていた。自分たちで考え、行動していかなければ試合に勝つことはできないし、チームもよくなっていかないので、より考えたし、働きかけるようになりました。

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