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【クラブワールドカップ】土壇場で打ち砕かれた浦和レッズの夢 欧州CLファイナリストとの明白な差 (2ページ目)

  • 浅田真樹●文 text by Asada Masaki

 ましてインテルは、およそ3週間前にチャンピオンズリーグ決勝をショッキングな敗戦で終えたばかり。しかも、新たにクリスティアン・キヴ監督が就任し、新チームの活動がスタートした直後とあっては、浦和がジャイアントキリングを起こす絶好のチャンスだったと言ってもいい。

「まだ疲労がたまっている」というアレサンドロ・バストーニが、「メンタル面で準備する時間がないことも、パフォーマンスに影響している」と語っているように、インテルは特に主力選手ほど、心身両面でまだまだコンディションが整っていない状態にあっただろう。

 そんななか、「試合をコントロールしていたにもかかわらず、予期せぬ失点を喫した」とバストーニ。浦和にとっては、大金星へ千載一遇のチャンスが巡ってきたはずだった。

 しかし、本来的な両者の実力差、そして、この試合の内容に照らせば、試合終了直前の逆転劇は、残酷ではあっても、まさかの結末だったとは言い難い。

 バストーニが、「実際には、前半にもチャンスはあった。クロスバーに当たった(ラウタロのヘディング)シュートは試合の流れを変えてもおかしくないものだった」と語っていたが、浦和はこれだけ攻められ続ければ、事故的なゴールも含め、いつどこで失点しても不思議はなかった。そんな試合だったことも確かである。

 DFラインから再三の攻め上がりを見せたアウグストは、「後半は多くのチャンスを作ったし、もっとチャンスを生かせたはずだ」と、数々の拙攻を嘆きつつも、こう続ける。

「低いブロックで守るチームを相手にプレーするのは難しい。しかし、我々には勝利への意欲がある。プレーする勇気がある。試合に勝ちたいと願う気持ちがある。厳しい試合だったが、最終的に最も重要なのは勝ち点3だった」

 中盤で攻撃の組み立てを担ったアスラニもまた、「確かに練習量が少なく、チームが一緒にプレーできたのも数日だけ。加入から間もない選手もいたし、多くの(主力)選手を欠いており、そのため、確かに前半は苦労した」と、まずは反省の弁を口にしながらも、「しかし、後半はずっとよくなった」とキッパリ。自信の逆転勝利だったことをうかがわせる。

 そして、最後の最後で試合を決めたのが、カルボーニだったことも、結果的にインテルの地力を見せつけるものとなったのではないだろうか。

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