浦和レッズが好転した要因を福田正博が分析 クラブワールドカップの見通しは? (2ページ目)
【松尾佑介のトップ起用】
チーム好転の要因のもうひとつは、1トップに松尾佑介を起用したことだ。開幕当初はチアゴ・サンタナがスタメン起用されたが、4月からは松尾がスタメンに座った。松尾はチームに復帰1年目の昨季はコンディション面で精彩を欠いたが、今季は復調をアピール。開幕から途中出場で信頼感高まるパフォーマンスを続けてきたことが、スコルジャ監督の決断の後押しになったのだろう。
5連勝の皮切りとなった4月13日のFC町田ゼルビア戦で持ち味のスピードとキレ味のいいドリブルで中央を突破してゴールを決めた。続く京都サンガF.C.戦、5連勝目となった東京ヴェルディ戦でも得点を奪い、1トップとしての役割を果たした。その後は相手に研究されたりしてゴールはないものの、スコルジャ監督が9番タイプの1トップを置くのをやめる決断ができたのは、松尾という存在があればこそだろう。
選手起用の面でスコルジャ監督に柔軟性が表れたことで、マテウス・サヴィオを中央に置き、松尾が左サイドでプレーするという選択肢も生まれている。これはチームが長丁場を戦い抜くには大切だ。調子のいい選手を起用しながら戦うには、時には型から出なければいけないこともあるからだ。
リーグ戦は5連勝の効果もあって、首位の鹿島との勝ち点は7差まで詰まり、選手たちのモチベーションは高い。その状況でいよいよ迎えるのが、FIFAクラブワールドカップだ。各国代表が争うワールドカップとは異なり、世界中から能力の高い選手をかき集めて形成できるクラブが争う今大会は「真の世界一強いサッカーチーム」が決まる大会とも言える。
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