「世界中に知ってもらったほうがいい」と浦和レッズのグスタフソンが感じる日本のサポーターの振る舞い
浦和レッズ サミュエル・グスタフソン インタビュー 後編
浦和レッズMFサミュエル・グスタフソンのインタビュー最終回。浦和のサポーターや日本のフットボールファンについて。自身の少年時代や現在の日本での生活にまで話が及んだ。
前編「グスタフソンがJリーグのプレーを選んだ経緯」>>
中編「グスタフソンが語るJリーグと欧州サッカーの比較」>>
【欧州では考えられない日本のファンの振る舞い】
「浦和はもちろん、日本のフットボールファンは本当に最高だよ」
そう話すサミュエル・グスタフソンに、嘘はなさそうだ。軽やかにポジティブな言葉を発する彼は、日本のサポーターを心からリスペクトしているように見える。
浦和レッズのMFサミュエル・グスタフソンがJリーグのサポーターについて語った photo by Kishiku Toraoこの記事に関連する写真を見る「多くの浦和のサポーターは、敵地にも駆けつけてくれ、大きな声援でバックアップしてくれる。いつも力を感じているよ。それから日本のフットボールファンのサポートの仕方は、他国のファンと比べて、よりよいものだと思う。日本でなければ、敵地のスタジアムに到着する時に緊張が走るけど、この国ではアウェーファンが拍手でバスを迎えてくれることがある。相手チームに拍手を送るなんて、欧州では考えられないよ!」
――ヤジを飛ばされたり、ブーイングされたり、ひどい場合には物を投げられたりする場面ですよね?
「そのとおり。日本のファンは自分のチームだけでなく、フットボーラー全体に礼節を持って接してくれる。それでいて、熱いところもあるが、熱狂しながらも、人間としてきちんと振る舞える。ファンタスティックだ。Jリーグのファンには、いいところしか思いつかないよ。そんな人々の前でプレーできて、本当に光栄だ。このようなファンの存在は、世界中に知ってもらったほうがいい」
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著者プロフィール
井川洋一 (いがわ・よういち)
スポーツライター、編集者、翻訳者、コーディネーター。学生時代にニューヨークで写真を学び、現地の情報誌でキャリアを歩み始める。帰国後、『サッカーダイジェスト』で記者兼編集者を務める間に英『PA Sport』通信から誘われ、香港へ転職。『UEFA.com日本語版』の編集責任者を7年間務めた。欧州や南米、アフリカなど世界中に幅広いネットワークを持ち、現在は様々なメディアに寄稿する。1978年、福岡県生まれ。