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湘南・鈴木章斗が刺激を受けた町野修斗と大橋祐紀のステップアップ「ああいうプレーができれば海外に行けるんだ」 (3ページ目)

  • 戸塚 啓●取材・文 text by Totsuka Kei

【海外へ挑戦するのは必要なこと】

 FW町野修斗は2021年から2023年夏まで在籍し、2022年のカタールワールドカップのメンバー入りを果たした。その後も日本代表に招集され、現在はドイツ1部(ホルシュタイン・キール)で戦う海外組である。

 町野の後継としてベルマーレの得点源となった大橋祐紀は、2023年のJ1で自身初のふたケタ得点を記録した。翌2024年は広島へ移籍し、夏にイングランド1部のブラックバーンへと渡った。同年11月には、日本代表の一員としてワールドカップ・アジア最終予選に出場している。

 2022年加入の鈴木は、町野とも大橋とも2トップを組んでいる。彼らのステップアップを目の当たりにして、刺激を受けないはずはない。

「ああいうプレーができれば(海外に)行けるんだ──という基準みたいなものを、ふたりに見せてもらいました。代表に入るためには海外へ挑戦するのは必要なことだと思いますし、自分も目標にしています。けれど、今はホントにチームで活躍すること、勝利に貢献することが一番大事です。このチームでもっともっと、上にいきたいんです」

 最後のフレーズは、ずっと育んできた彼の「芯」である。

「プロになってから、タイトルを獲りたいとずっと思ってきました。必ず獲れるチームに今、仕上がってきていると感じるし、そこへ近づくためには、ホントに目の前の試合に集中することが大事です」

 どんな質問にも語調を変えることはなく、鈴木は落ち着いて、しっかりと答えた。そして、一つひとつの言葉には、はっきりとした野心が編み込まれている。

著者プロフィール

  • 戸塚 啓

    戸塚 啓 (とつか・けい)

    スポーツライター。 1968年生まれ、神奈川県出身。法政大学法学部卒。サッカー専誌記者を経てフリーに。サッカーワールドカップは1998年より7大会連続取材。サッカーJ2大宮アルディージャオフィシャルライター、ラグビーリーグワン東芝ブレイブルーパス東京契約ライター。近著に『JFAの挑戦-コロナと戦う日本サッカー』(小学館)

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