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湘南・鈴木章斗が刺激を受けた町野修斗と大橋祐紀のステップアップ「ああいうプレーができれば海外に行けるんだ」 (2ページ目)

  • 戸塚 啓●取材・文 text by Totsuka Kei

【昨年は自身初のふたケタ得点に到達】

 背番号10を背負い、左腕に腕章を巻いてピッチに立つ。昨シーズンまでとは明らかに異なる種類の重圧を、全方位から受けているはずだ。

 そのなかで、2節のC大阪戦では2ゴールを叩き出し、3節の浦和戦でも決勝点となるヘディングシュートを突き刺した。

 得点ランキング首位タイに並ぶが、21歳の語調は落ち着いている。

「まだ始まったばかりですので。それに、去年のシーズンもこの段階では取れていたから。ここからもコンスタントに取れればいいですけど、点を取っていけばマークは必ず厳しくなります。調子がよくないタイミングもあると思う。だからこそ今日、何ができるかということだけを考えています」

 鈴木自身が話しているように、昨シーズンも序盤4試合で3得点をマークした。しかし、その後は得点から遠ざかり、ケガも重なってリーグ戦で得点をあげられない日々を過ごした。

 チームの勝利のために、何をすべきなのか──。自問自答を繰り返し、守備面での貢献度を高め、8月から再びギアが入る。そして最終的に、自身初のふたケタ得点に到達したのだった。

 3-1-4-2のシステムで2トップの一角を担う鈴木は、守備の局面で前線から果敢にプレッシャーをかけていく。守備のスイッチを入れ、二度、三度とボールをチェイスしていく。

「そこは一番と言っていいぐらい意識しています。僕らがしっかりプレッシャーにいってスイッチが入れば、うしろの選手もついてきてくれるし、チームとしていい守備ができると感じる。そこはチームとしても、すごく大事にしているところです」

 昨シーズンまで攻撃に変化をもたらしてきたMF阿部浩之が、現役から退いた。2019年途中から背番号10を担ったMF山田直輝は、J3のFC岐阜へ移籍した。多くの気づきを与えくれた経験者への感謝も、鈴木を衝き動かしている。

「阿部くんもヤーマン(山田)もそうですし、町野くんであったり大橋くんであったりに、成長した姿を見せられればなと思います」

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