【Jリーグ】J2ウォッチャー平畠啓史が今季を深掘り予想 とくに注目の4チームは? (4ページ目)
【注目チーム/レノファ山口FC】
去年の山口はすごくよかった。終盤は連敗して苦しくなりましたが、それまではプレーオフ圏内で戦えていた。志垣良監督がハードワークをもたらして、チームがいいところに行けたと思う。でも昨シーズン活躍した選手がかなり抜けてしまった。
活躍した選手がチームを去るっていうのは、応援されてる方にとってはちょっと寂しいところはあるとは思います。でも、山口で活躍するとステップアップにつながっていくのが、実証されたと思うんですよ。
イン&アウトで考えたらちょっと痛い部分もあるかもしれないですが、インもジュビロのように、今までよりちょっと計算できる選手が入ってきた印象がすごくあります。なぜ計算できる新しい選手が入ってきたかって、やっぱり昨シーズンの山口の躍進があったからこそですよね。チームカラーは変わっていくとは思うけど、面白い選手が入ってきた印象は強いです。
移籍してきたなかで、MF成岡輝瑠選手は本当は清水エスパルスで活躍したい気持ちがあったと思います。だからこそ今回は相当な決意の移籍だと思います。山口のサポーターは成岡選手がいかにいいプレーヤーか一番知っている。僕もすごく好きな選手で、体は大きくないですが、フットボーラーっていう感じがすごくする。
本当に賢いし、ボールをうまく運んで、チームをうまく作っていく。"目立たへんけど、なんかバルセロナにいそうな選手"。スペインとかにいそうな、そんな目立たへんけど絶対この選手レギュラーで出てくるなっていう。チームにとって欠かせない選手が入ってきたのは注目したいし、目立ってほしいですね。
さらに、京都サンガF.C.から来た宮吉拓実選手にはびっくりしました。自分で行くだけじゃなくて、周りも使える最高のFW。山口県の人が京都サンガに行くパターンってあったじゃないですか。原川力選手や久保裕也選手がそうでした。でも、京都から山口に行くパターンもおもろいなと。あとDF亀川諒史選手も非常に経験のある選手で、こういう選手が山口に入ってきたのも面白い。
そういった経験ある選手だけじゃなくて、FW山本桜大選手みたいな期待の若手も入ってきた。全体の年齢を見てもどっかに偏ってるんじゃなくて、いろんな幅で選手を取っている。
個人的にすごく好きなのは、FC大阪から来た古川大悟選手。志垣監督がFC大阪でやっていた時にいたと思うんですが、左利きのFWで身体能力っていうか運動神経がいいんですよね。身のこなしが軽やか。綺麗に相手をかわして左足でドンって決める。
去年はFC大阪で7ゴールですが、FC大阪って守備ベースのチーム。そこで7点取れている。いわきFCでもプレーしていたので、ハードワークもできて自分のよさを出せる選手です。山口でどうなるのか、今から楽しみですね。
著者プロフィール
平畠啓史 (ひらはた・けいじ)
1968年8月14日生まれ。大阪府出身。芸能界随一のサッカー通として知られ、サッカー愛溢れる語り口が人気で、多くのサッカー関連番組の出演中。平畠啓史Jリーグ56クラブ巡礼2020 日本全国56人に会ってきた」(ヨシモトブックス)など、サッカー関連の著書も多い。
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