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ブーイングをエネルギーに変えてきた森脇良太「世界でも通用する監督になりたいと本気で思っています」 (2ページ目)

  • 原山裕平●取材・文 text by Harayama Yuhei

【レアル相手でも勝てると本気で思っていた】

── ムードメーカーとして一番意識していたことは何でしょう?

「僕がこの20年間、思い続けていたことは、今いるメンバーでどうやったらタイトルを獲れるかということ。もちろん若い時は、自分が試合に出る、自分が活躍することにフォーカスしてやっていたんですけど、中堅になってからは、常にチームがどうあるべきか、どういうチームが強いのかっていうのを考え続けていました。

 自分のなかで出た答えが正解かどうかはわからないですけど 今のメンバーを心から信用して、自分たちの力を信じ続けようと。馬鹿かと思われるかもしれないけど、愛媛に帰った時もこのチームがどこよりもベストチームだと思ってやっていましたし、たとえレッズが相手でも、レアル・マドリードが相手でも、絶対に勝てると本気で思っていました。

 その本気の思いを周りの選手に伝染させていくことが、僕の役割でした。そしてそのエネルギーが大きくなればなるほど、強いチームになれると思っています。自分のなかではそれを強い信念として持っていたので、そこを多くの選手に伝えてきました」

森脇良太は一流のムードメーカーだ photo by Sano Miki森脇良太は一流のムードメーカーだ photo by Sano Mikiこの記事に関連する写真を見る── ポジティブな雰囲気を作っていったわけですね。

「僕はこういった性格なので、いつもおチャラけて、ふざけていて、『何も考えてないな』と思われがちなんですね。でも、周りからそういうイメージを持たれるのは全然いいんですけど、ピッチでは常に100パーセントの力でやってきましたし、サッカーと真摯に向き合ってきたつもりです。その姿勢が、すべてのタイトルを獲らせてもらった要因だと思っています。

 やっぱり、信じ続けることが大事だと思うんですよ。予算がないとか、このメンバーじゃ勝てないよとか、はじめからから言い訳がましいことを言う人がよくいるんですけど、いや、そうじゃないと。予算がないのはしょうがないこと。選手がいないのはしょうがないこと。この規模で、このメンバーでどうやったら勝てるかをみんなで考えないといけないんです。

 そうじゃなければ、絶対に強いチームなんてできるわけがない。そのために僕は愛媛に帰ってきてからも、どうやってポジティブになれるかを考え続けてきたし、そういう言葉もかけ続けてきました。そこが一番、伝えたかった部分ですね」

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