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J1で55ゴール 武藤雄樹がJ3のSC相模原に移籍したワケ「自分が最後にやりたいと思えるチームでプレーしたい」 (3ページ目)

  • 浅田真樹●取材・構成 text by Asada Masaki

――シーズン途中の移籍に難しさはありませんか。

「(浦和レッズから2021年途中に)レイソルに入った時もなかなか結果を出せず、自分のプレーとチームのスタイルをフィットさせていくことの難しさがありましたし、それは今も感じるところはあります。ただ、今回の相模原(への移籍)に関しては、ちょうど(J3の)中断期間だったので、ミニキャンプを張ったりしてチームに馴染む時間はあったのかな、とは思っています」

――武藤選手にとってはプロ入り以来、相模原が4クラブ目。これが3度目の移籍です。

「基本的に移籍する時は、僕はいつもポジティブに考えていて、すごく前向きにチャレンジするワクワクした気持ちでいますし、今回も本当にそう。J3だからという気持ちはまったくなくて、ここで自分が何を成し遂げられるんだろうっていう、前向きな気持ちで来ています。今は本当に充実しているというか、日々熱い気持ちを持ってトライできているなと感じています」

――加入から1カ月あまり。チームの雰囲気はどうですか。

「雰囲気はすごくいいですね。みんな、トレーニングから本当に真摯にサッカーに向き合っていますし、(シュタルフ悠紀リヒャルト)監督も、明確に役割を与えてくれるというか、言葉にして伝えてくれるので、そういったところのやりやすさも感じています。

 ここのところ結果が出ていなかったので、そこでなかなかこう......、やっぱり自信を失っていくような部分はありましたけど、今季のJ3はとんでもない大混戦で進んでいるので、チームがバラバラにならず、ブレずにやっていきたい。そのなかで、僕はこれまでにいろんな経験をしてきたと思っていますし、そういう部分でもチームの力になれたらいいなと思います」

――豊富な経験があるからこそ、リーダーとしての役割も期待されます。

「そういったことも期待していると、チームからも、監督からも言われています。僕もできる限り、若手にアドバイスしたり、チームをまとめたりすることができたらいいなと思います。

 そうは言っても、僕がそういう(リーダー的な)キャラクターかと言われると、そうでもないなとも思うのですが(苦笑)、これまでのキャリアのなかで、浦和だったら阿部(勇樹)さん、レイソルだったら大谷(秀和)さんのような選手が、常に真摯にトレーニングに向き合う姿を見て、『あの人がやってるんだから、自分も!』って感じてきましたし、そういった姿を今度は自分が見せなきゃいけない。声だけでなく、しっかり背中で引っ張って、チームを一歩でも前に進められるような仕事ができたらいいなとは感じています」

――実際にJ3でプレーしてみて、J1との違いは感じますか。

「もちろん違いはあるんでしょうけど、そんなに特別大きな差はないのかなとは思います。ただ、細かいところで言うと、たとえば『そこで(ボールを)失ったら危ないよね』みたいなところでのミスは、相模原だけでなく、相手チームも含めて多いような気がします。そのミスを突いて(相手が得点を)決めきれなければ、ミスをしても大丈夫なんだって、そこの価値観は変わらないと思うので、逆に僕がそういったミスを突くことができれば、そこでのミスはダメなんだって(いう意識が生まれて)、レベルが上がっていくと思っています。そういったところも、練習から伝えていければいいなとは思います」

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