J1鹿島・知念慶が抱くボランチ像は稲垣祥 中村憲剛や柴崎岳の「空間を使ったパス」は出せない (2ページ目)
【柴崎岳や三竿健斗から学んだボランチらしさ】
── ポポヴィッチ監督は、何かができるようになると、また新たな課題を提示してくれているように思います。
「それはありますね。監督は常に俺を満足させないよう、厳しく指導してくれています。今言われたように、いっぺんに多くを求めるのではなく、ひとつできるようになったら、また次、さらに次といった具合に要求してくれています。
ボールを奪いきれるようになったら、攻撃では対角を見ろ、早く前につけろと。その節々で言われること、求められることも変わってきています」
── その積み重ねが、ボランチらしくなってきたと?
「まだまだ、ですけどね。それでも、監督から口を酸っぱくして言われてきたことが、少しずつクリアできるようになってきました。今ではふだんの練習でやっているプレーが試合でもできるようになってきています」
── 佐野選手がマインツに移籍して、柴崎岳選手と組む機会が増えています。組む選手が変わると、プレーも変わりますか?
「変わりますね。今はよりボランチらしいプレーを覚えていかなければいけないと思っています。自分と(佐野)海舟のような組み合わせは、正直、Jリーグ全体を見てもあまりないコンビでした。
でも、海舟が移籍したからといって、海舟の代わりを探すのではなく、コンビを組む相手の特徴によってプレーを変えていかなければいけないと思っています。新たな形、新たなプレーを取り入れて、いい方向に進んでいかなければならない。
そういう意味では、岳くんと(三竿)健斗から学ぶことは多いですね。自分が出場停止だったサガン鳥栖戦(第25節)は、上からふたりのプレーを見て、ボランチっぽいなって思いましたから。最近は、特に自分のプレーを何度も見返しているのですが、まだまだボランチらしくないと思う時もあるので、彼らから吸収できることはたくさんあると思っています」
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