インターハイで感じた「高校サッカー格差時代」 日常のリーグ戦のレベルがトーナメントの結果に直接反映される流れに (2ページ目)

  • 森田将義●取材・文 text by Morita Masayoshi

【選手はリーグ戦のカテゴリーで進学先を選んでいる】

 プレミアリーグに所属する利点は、そうしたプレー面だけではない。選手のリクルート面にも大きな影響を及ぼしている。

 近年、多くの日本人選手がヨーロッパに渡っているように、アスリートはより高いレベルを求めている生き物だ。育成年代も全く同じで、高校年代の選手に話を聞くと高1年代でリーグ戦をプレーできるか否かとともに、そのリーグ戦のカテゴリーで進学先を選ぶ傾向が強まっている。

 高校サッカーの場合、Bチーム以下もリーグ戦への参加が可能で、青森山田と尚志高校(福島県)、静岡学園高校(静岡県)、大津高校(熊本県)はBチームがプリンスリーグに所属。帝京長岡にいたっては今年からBチームがプリンスリーグ北信越1部、Cチームがプリンスリーグ北信越2部、Dチームが新潟県1部リーグを戦っている。

 選手としてはAチームでプレーできなくても高いレベルで戦える点はメリットだ。複数カテゴリーに参戦できるだけの指導体制やプレー環境が整っている高校が増えているなかで、プリンスリーグや県リーグを主戦場とする高校に、有望選手の目が向かなくなるのも自然な流れと言えるだろう。

 チームとしても、下級生のうちからBチームで経験を積んでおけば、代替わりした際もスムーズにチーム作りが進められる。以前、ある高校の監督が「全国大会で上位まで進もうと思うなら、Bチームがプリンスリーグにいなければいけない時代になっている」と口にしていた理由がよく分かる。こうした流れは年々進んでおり、全国大会に出てくる強豪校のなかでも戦力格差は広がっている印象を受ける。

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