38歳・丹羽大輝と家長昭博の今、そして今後...「サッカーをわかった、という感覚にはいつまで経ってもなれない」 (3ページ目)

  • 高村美砂●取材・構成 text&photo by Takamura Misa

丹羽 それは僕も同じよ。J1リーグ出場450試合超えって、過去に達成した人がほとんどいないように、ほんまに限られた人にしかできないことだし、ましてやアキは海外も......マジョルカ(スペイン)や蔚山現代(韓国)も挟んでいるわけやから。

 アカデミーから飛び級でトップチームに昇格して、華々しく活躍してきたイメージがあるアキやけど、その裏では前十字靭帯断裂をはじめとするケガもあったし、海外で苦しんだ時期もあって、その数字の裏にはものすごい努力というか......アキは努力とは思っていないだろうけど、すごい戦いの日々があったはずなので、マジでリスペクトしかない。

 だから、JリーグMVPもめちゃめちゃうれしかったし、今もフロンターレの中心選手として活躍しているのも、めちゃめちゃ励みになる。それはこの先も......。

家長 なぁ、喋りすぎちゃう(笑)? 10超えて15くらいまで喋る勢いやん。簡潔にね。

丹羽 アキが全然自分のこと喋らんから、俺が言いたくなるねん!

家長 ありがとう。でも、もう大丈夫(笑)。

――先ほど丹羽選手の言葉に"引退"というワードが出てきました。キャリアの後半を過ごしているなかで、家長選手は先のことを考えることはありますか?

家長 考えますし、さすがにこの年齢まできたら、いつ終わってもいいとも思っています。何歳までやろうとか、年齢で決めることはないですけど、自分のプレーがプロサッカー選手として見合わないなって思ったところで辞めようかなと思っています。

丹羽 それは、周りがどう評価しようと、自分の感覚で?

家長 そうね。おそらく選手のなかにはサッカーが好きだから、という理由で現役を続けている人もいるし、それも全然いいと思う。でも僕は、性格的にそれは無理やから、自分の思うレベルでプレーできるかが基準になると思う。

 あとは......この歳まで現役をやれているのは、ある程度、個人としての結果をチームの結果に繋げられてきたから雇ってもらっていると思うので。そこはこの先、よりクラブから問われる部分だという自覚もある。丹羽ちゃんは、まだまだやるでしょ?

丹羽 現時点ではプレーヤーであることがてっぺんにあるけど、先のことはわからんよ。ただ、引退後も"サッカー"は自分のド中心にあるとは思う。それが指導者なのか、他の関わり方なのかはわからんけど。スペインでの時間も長くなってきただけに、日本とスペインの架け橋的な存在になるのもいいかな、みたいなことも少しは考えるしね。

家長 いや、まだまだやるな。

丹羽 危機感しかないけどね。僕が所属しているアレナスはスペイン4部のチームやけど、そのステージのチームに38歳の僕が契約してもらっている=1年を通して、チームの結果に直結するような、絶対的な戦力でないとアカンというのはわかっているしさ。今のチームも僕の次の年長者って、10歳くらい下の28歳くらいの選手だと考えてもなおさらね。

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