サッカー選手を値付けする「トランスファーマルクト」の中の人に聞く どのように価値を決めるのか (3ページ目)

  • 井川洋一●取材・文 text by Igawa Yoichi

【日本は6部リーグまでカバー】

――現在、トランスファーマルクトで日本とアジアはどれほどカバーされているのでしょうか。

トビアス 日本はJ1、J2、J3、JFL、地域リーグの1部と2部まで掲載している。つまり6部リーグまでカバーしていることになるね。トランスファーマルクトにおけるアジア最大の国だよ。

シュテファン 加えて、天皇杯とリーグカップ、それから高円宮杯U-18プレミアリーグも。

ティベリウス AFCに加盟している国と地域は47。そのすべてのリーグを掲載したいと思っていますが、なかには北朝鮮やトルクメニスタンのように、手がかりさえ掴みづらいところもあります。それでも開拓を続けていて、最近ではラオスやオマーンのリーグを公開できるようになりました。

――先ほどトビアスさんが言ったように、「Jリーグには欧州のトップリーグにないよさがある」と言う外国人の方は少なくありません。特に、「欧州の主要リーグと異なり、予想が困難なところが面白い」と言う人は多い。今シーズンも、J1に初昇格したばかりのFC町田ゼルビアが首位に立っているように。

トビアス その通り。ただトランスファーマルクト的には、FC町田ゼルビアの躍進は、それほど大きな驚きではないんだ。なぜなら、私たちが付けている選手の評価額において、町田の総額は1720万ユーロで、浦和レッズ(2435万ユーロ)とヴィッセル神戸(1723万ユーロ)に次ぐ3位。昇格してきたばかりのチームとはいえ、クラブの規模は日本屈指だよね。逆に、少し前の神戸やサガン鳥栖のように、欧州で名を成したスター選手を擁しても――そうなると選手の総評価額は上がる――、リーグ優勝できなかったりする。あなたが言うように、Jリーグは本当に予想の難しいリーグだ。

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