鹿島・新助っ人FWチャヴリッチが語るゴールの秘訣「欲張りすぎると、大事なことを見落としてしまう」 (3ページ目)

  • 原田大輔●取材・文 text by Harada Daisuke

【スロバキア代表からの招集を辞退したワケ】

── 力が入りすぎると、持っている力を存分に発揮できない、と。

「それはサッカー選手だけでなく、ありとあらゆる職業に当てはまることかもしれないですね。欲張りすぎると、足もとがおろそかになり、大事なことを見落としてしまう。実際に自分も、ゴールを決めたいと思っている試合のときほど、パスが来なかったり、チャンスからも遠ざかってしまった経験もあります。

 逆に、プレー自体は決してよくはなくても、余計な力みがないからか、自分の身体に当たってゴールが生まれる経験もありました。気負いすぎない。それが今の自分に必要なことのように思います」

── 3月のインターナショナルウィークでは、スロバキア代表からの招集を辞退して、鹿島アントラーズでのプレーに集中する決断をしたとのニュースを目にしました。

「ここ数カ月の間に二度、自分の人生を左右するような大きな決断をする機会がありました。そのひとつは日本に来るということと、もうひとつは日本に残るということでした。このふたつは短い期間で、自分の人生における大きな決断だったと思っています。

 自分はアントラーズの一員ですし、今の状況を冷静に考え、判断し、日本に残ることが最善であると考えました。アントラーズの選手として、その選択をしたことに今も後悔は微塵もないですし、自分が下した決断がこのチームに対するリスペクトになるとも信じています。

 日数が経った今も、その決断が間違っていなかったと思っていますし、それは自分の決断に対してサポーターたちが理解を示してくれたことで、なおさら実感しました。(3月30日の)ジュビロ磐田戦のあとには、サポーターたちがカシマスタジアムに掲出してくれた横断幕のメッセージについても聞きましたから。

 自分の決断については、当然、賛否両論があることもわかっています。同じ状況に置かれたとき、僕とは異なる判断をする人もいるかもしれない。でも、自分はアントラーズに残ることがチームにより早く馴染むためには必要だと思ったし、自分のため、そしてチームのためになるとも思いました」

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