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ドゥンガが指摘する今の日本代表に欠けているモノ「W杯でグループリーグを突破することに満足しちゃいけない」 (3ページ目)

  • 浅田真樹●取材・構成 text by Asada Masaki

――慈善活動とは、どんなことをしているのですか。

「子どもやお年寄りの施設に食料を配ったり、学校の施設を修繕したり、そのための寄付を集めるというようなことだね。あとは、ブラジルは保険の制度が日本と違うので、お金がなくて手術が受けられないとか、検査が受けられないという人たちのサポートもしているんだ。

 最近は自然災害も多いので、洪水で家をなくしたり、家財道具をなくしたりした人たちのために、家を建てたり、家具や洋服を届けたりということもしている」

――何か慈善活動を始めるきっかけがあったのですか。

「現役時代、イタリアやドイツでプレーしていた時に、そういう活動を見てきたし、日本にいた時も、自然災害で大きな被害が出ると日本のみんながお互いに助け合う精神を、自分も実際に見て学んできた。

 自分はサッカーによって多くのものを得たのだから、それを社会に還元したいなと思ったのがきっかけだね。ジュビロでプレーしていた時にも、日本でイベントを行ない、その収益をブラジルに送って、小児がんの専門病院のために使ってもらったりということをしていたよ」

――しばらくサッカーから離れていますが、もう監督をやるつもりはないのですか。

「そうだなあ......、今は4歳と1歳半の孫の面倒を見るのが大変だからな(笑)。でも、意欲がないわけではないから、興味が持てる話があれば、またぜひやってみたいね」

(おわり)

ドゥンガ
1963年10月31日生まれ。ブラジル出身。ブラジルの名門クラブでプレーしたあと、イタリア、ドイツのクラブで活躍。ブラジル代表でも奮闘し、1994年W杯ではキャプテンを務めてチームの優勝に貢献した。1995年夏、ジュビロ磐田入り。強いリーダーシップを発揮して、1997シーズンにはジュビロを初のリーグ王者へと導いた。引退後は、ブラジル代表監督など指導者として手腕を揮った。

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