サガン鳥栖・川井健太の指導者論「選手をうまくさせたい」「新しいことは好き、流行りは嫌い」 (2ページ目)
【クビになる確率は低くなるけど...】
――シャビ・アロンソは「監督は資質があるか、なしか」だとも言っていました。
「極論で言えば、そうですね。自分は何か新しいことを求めていきたい。それで、みんなが喜んでくれるのが1番です。これは賛否両論あるんでしょうけど、『みんなが求めるから、それをやる』ではない。僕がやろうとしていることに、後からリンクしてほしいんです。言ってみれば、それが『結果が出る』ということになるんでしょうけど。究極の答えは絶対に交わるはずで、いいものを作れば、そこに辿り着くと思っています」
昨季終了後、サポーターに挨拶をするサガン鳥栖の川井健太監督と選手たちphoto by J.LEAGUE/J.LEAGUE via Getty Imagesこの記事に関連する写真を見る――監督は作品を展開し合うわけで、パーソナリティのぶつけ合いになります。
「パーソナリティは大事ですね。この職業、前提としてクビになることがあるわけじゃないですか。クビにならないようにする方法って、その決定をする人が求めていることを、その人の言うとおりにすることで、それで(クビになる)確率は低くなる。でも、監督は決断をするのは自分であるべきです。
フットボールって、得点と失点、究極の二択。だから最近、選手によく言うんですが、『そのプレーが得点(の確率)は51%、失点が49%だったら、絶対、得点のほうを選びなさい』と。『失点(の確率)が7割以上、じゃあクリア』とか。それをやり続けることがチームを強くするには大事で、『今どっち?』という究極論を戦わせているだけなんです。そう考えると、『瞬時に決断をしていく』というところがあるなら、監督にはなれるものだと思っています。実際、そういう時代が来るんじゃないですかね」
――監督が誰かの評価を気にして決断していたら、チームはふわふわしますね。
「ふわふわしてしまうと、選手にも伝わってしまう。自分は、決断をしたことを正解にする仕事にすごくやりがいを感じています。AかBかを選ぶというよりも、選んだほうを正解することにパワーを注ぎたいですね」
――J1リーグでは最年少監督です。ただ、世界ではシャビ・アロンソ、ミケル・アルテタ(アーセナル)、アンドニ・イラオラ(ボーンマス)、シャビ・エルナンデス(バルセロナ)、ルベン・アモリム(スポルティング)など40歳前後の名将がどんどん出ています。
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