サガン鳥栖・川井健太監督が語る「変わらないこと」と「変えること」「負けてダメなら終わる」 (2ページ目)
【どのクラブも高い順位を求められるが...】
――守りの面では、センターバックも多く補強しましたね。昨シーズン、センターバックはJ2から新加入の山崎浩介が定着し、成長を遂げました。
「攻撃は後ろから始まるものだと思っているので、センターバックのところも去年は我慢したところがあったし、今年は補強しました。山崎はJ1が初めてだったので、最初は慣れないところもありましたが、後半戦からはしっかりとできていましたね。その点は(昨シーズンの新加入だった)河原(創)も同じです」
「2024Jリーグ開幕PRイベント」に登場した長沼洋一(サガン鳥栖)photo by J.LEAGUE/J.LEAGUE via Getty Imagesこの記事に関連する写真を見る――昨シーズン、10得点を記録した小野裕二(アルビレックス新潟に移籍)が果たしていたリーダーの役割は大きかったはずです。
「そこはスタッフ間でも話しています。『一般的に各ポジションにリーダーシップを出せる選手がいたらいいね』と。それでチームの士気が上がることもあるので。ただ、リーダーシップのある選手を取ってくるのではなくて、難しい問題ですが、パーソナリティも作ればいいんじゃないかと、僕は思うんです。何人か集まったら、自然にリーダーって出てくるじゃないですか? もちろん、最初からリーダータイプって人もいるはずですが、出てくると思っているので、心配はしていません」
――個人的には、監督の価値は選手の成長に準じると思っています。その点、長沼洋一の覚醒は特筆に値します。新シーズンは左サイドでの起用が有力のようですが。
「洋一に関しては、これくらいできるよね、とは思っていました。ただ、昨年10ゴールをとったから、今年も10ゴール以上かって言うと、そうではない。彼にも話しましたが、『数字に出ないところで、もっと貢献してほしい』と。彼は成長していますし、ハイスペック(どのポジションもできる装備がある)な選手です」
――報道では、「4位以内を目指す」とありました。
「明確に順位は言っていないです。『過去最高のチーム順位(5位)に近づければ』と答えたのが切り取られた形で(苦笑)。日本ではどのクラブにも高い順位が求められる。そこはヨーロッパと違うところで、(戦力次第で)『残留』でも十分に評価されるのですが......」
2 / 3