槙野智章が衝撃を受けたFWトップ10「バチバチ」「消える」「緩急」「ズルい」選手たち (2ページ目)

  • 吉崎エイジーニョ●取材・文 text by Yoshizaki Eijinho

【衝撃を受けた選手たち】

7位 佐藤寿人(元サンフレッチェ広島ほか)

 佐藤寿人選手には、サンフレッチェ広島で僕がプロの門を叩いて、ピッチ内外で本当に面倒を見てもらいました。

 思い出深いのは、僕が試合に出られていない時に紅白戦で常にマッチアップしていたことです。寿人さんも「消える動き」がスゴい。本人もインタビューで言っていますが、体が大きいわけでもなく、強くも速くもない。ただ、その一瞬の動きでゴールを取ってきたと。

 それは本当です。ボックス内での動き方とワンタッチの技術は、もうJリーグ30年の歴史のなかでも断トツにうまいと思います。左利きではあるんだけど、右足もうまいし、体は大きくないけどクロスに対して頭から入っていける。

 それを練習で体感できたのは本当に幸せです。ピッチ外でも「プロサッカー選手は夢を与えなきゃいけないんだよ」と教えてもらいました。今の僕があるのは、寿人さんからいろんなことを教えてもらった形そのものだと思っています。

6位 レナト(元川崎フロンターレほか 現アマゾナスFC/ブラジル)

 川崎フロンターレで10番をつけていたレナトには、衝撃を受けました。何度も対戦して本当に苦しめられました。

 彼は格が違いました。左足しか使わないんだけど、ヒザ下の振りとドリブルの速さ、プレーの緩急がとんでもない。それが90分間ひたすらゴールに向かって来るわけです。ゴール前に来ないな、と思っていてもボックス外のからガンガンシュートを決めますから。マジで日本国籍取得してほしいと思っていました。

 一緒にDFラインを組んでいた那須大亮さんが、1対1でやられて「こんなの止められないよ」と言っていた時がありました。僕がスゴいと思っていたDFがそんなになってしまうなんて、レナトは反則だなと思いました。2015年に中国(広州富力)に移籍した際には、ちょっとホッとしたくらいです。

5位 マルキーニョス(元鹿島アントラーズほか)

 鹿島アントラーズなどで活躍したマルキーニョスは、「何をやらせてもスゴい」タイプでした。1回、ボックス内でリフティングみたいなのをやられてポーンとゴールを決められて、「ああもう敵わないな」と思ったことがあります。体が強いし、腕は強いし、シュートのパンチ力もスゴかったです。

 イケメンでした。もう、ピッチ上で「カッコいいな」と思いながら見てましたね。長い髪にリストバンドなんかもカッコよかった。

 あと、こっちがマークに行って、背中を向けている時とか。背筋のボコッという感じとか、お尻の筋肉の位置もブラジル人選手特有の日本人にはないような、ぐっと背中に近い位置にあって...。そんな一つ一つを見ながら「違うな~」と。特に鹿島が3連覇していた時の彼には衝撃を受けましたよ。

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