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槙野智章が一緒にプレーしてスゴいと思ったDF10人「変態」「覇気が出てる」選手たち (4ページ目)

  • 吉崎エイジーニョ●取材・文 text by Yoshizaki Eijinho

【「変態」という褒め言葉がしっくり】

4位 那須大亮(元浦和レッズほか)

 那須大亮くんは...いやスゴイんですよ。

 浦和の時にミシャ(ミハイロ・ペトロヴィッチ監督)は、右に森脇、真ん中那須、左に槙野の3バックをやっていたんですが、今思うとよくこの3人を並べたなと。まずは「点の取れるDF」として魅力を感じるのはもちろんですが、彼もまたそれ以外の強みがありました。

 まずはコミュニケーション能力です。試合中に通る声で味方を統率できる。今、YouTuberとしても活躍されていますが、元々は若い人にもいじられるようなオープンマインドを持たれている方なんです。サッカー界では珍しいと思いますよ。

 そしてプレー面では、相手に向かっていく姿勢が本当にスゴかった。鼻を何回骨折したんですか? っていうくらいの感じで、どんどん頭を突き出していく。隣にいて頼もしかったです。特にセットプレーの際には、それは大きな武器になっていました。

 そういった点ももちろん重要ですが...やっぱり那須さんが印象深かったのは、先に言った浦和時代の攻撃的3バックですよ。1年間戦って、森脇が3点、僕が6点、那須さんが9点と、3人でそれだけ取ったシーズンがありました。那須さんはその年ベストイレブンに選ばれたんですけど、3人で「1トップと2シャドーの選手をどんどん追い越していこう」と言いながらプレーした日々は、とてもいい思い出です。

3位 イリアン・ストヤノフ(元サンフレッチェ広島ほか)

 3位はイリアン・ストヤノフ選手です。彼もやはり広島時代に組んだ選手ですね。右・森脇、真ん中・ストヤノフ、左・槙野で。この人には「変態」っていう褒め言葉がしっくりきます。

 ビルドアップをするDFの選手がドリブルでボールを運ぶ概念って、当時のJリーグにはあまりなかったんですよね。しかも左右両足蹴れて、それを長短で使い分けられる。僕らサイドにいて「自分は別にいらないじゃん」と思ったほどで。

 ほんとパス出すふりして全部ドリブルで剥がすし、サイドに長いボールを蹴って、そのポジションの選手がマークの剥がれた状態でボールが受けられる体勢を生み出す。

 他のランクイン選手は「点が取れる」ということから挙げた選手も多いですが、このストヤノフは「ビルドアップがスゴすぎ」。自分がサッカーをやって来て、同レベルの選手を見たことがない感じです。

 現在のサッカーで、全盛期のストヤノフがいたら、どれだけスゴいんだろうと思いますよ。それでいて、守備の際には体を投げ出して激しいプレーもできるという。相手に嫌がられる選手でもありますよね。

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