槙野智章が一緒にプレーしてスゴいと思ったDF10人「変態」「覇気が出てる」選手たち (3ページ目)

  • 吉崎エイジーニョ●取材・文 text by Yoshizaki Eijinho

【ひとりいるといないのでは大きな違い】

6位 塩谷司(サンフレッチェ広島)

 ここからのランキングでは、僕が一緒のチームで戦った選手、同じ指導者の下でやった選手で、近くで見て「いいな」と思った選手を並べています。

 広島で一緒に戦ったシオは、ボールを持って運べる力と、点が取れるDFであるという点。これはスゴイですよ。僕自身も、DFであってもゴールは大切だと思っていたので。

 そして攻撃面のみならずいいのは、何よりボール奪取能力が優れている点、そして相手のFWが嫌がることをやれる点です。それを「相手の裏をつく」形でできる選手ですね。

 中東に移籍する(アルアイン/UAEでプレー)選択肢を、早い段階で選んだ選手でもあります。日本人選手が"お金"だけではなく、ちゃんとサッカーをやりに行くというのを示した存在ですよね。

 クラブワールドカップに出て、レアル・マドリード相手にゴールも決めていました。広島時代の彼の攻撃力、得点力の高さが発揮されていて、嬉しかったですよ。

5位 森脇良太(愛媛FC)

 森脇良太は...あんまり入れたくなかったんですけど、入れさせてもらいました(笑)。はい。もう小学校の時から知っています。

 ただ、持ってる能力とか、求められることを表現できる力は、僕はものすごい高い選手だと思っています。くさびのパスのうまさだったり、斜めのパスを入れる精度だったり、いやらしさですね。守備だけじゃなくて、攻撃のところでの貢献度がかなり高い。

 あとは「持ってる男」でもあります。劇的なゴール、ロスタイム含めてのゴールがあまりにも多すぎて。 長く一緒にプレーしましたけど、何度彼に助けられたゴールがあったかというぐらいです。

 今、僕は指導者を目指していますけど、 チームにひとりいるといないのでは大きな違いがあるキャラクターですよね。

 アルベルト・ザッケローニ監督の時代には、日本代表に選ばれました。広島や浦和での3バックと、代表での4バックへの適性が多く論じられた選手でもあります。本来的には4バックの右サイドバックが合っていたと思うんですが、徐々に3バックの右への適性が増していったと思います。ボールを持てる、持ち運べる。そしてくさびのパスを入れる。そういったプレーが可能です。

 昨年、愛媛FCがJ3優勝したことにより、J1、J2、J3での優勝を経験した選手になったと聞きました。すごいですね。どれだけタイトルに貢献できているのかは知りませんが(笑)。いいじゃないですか、彼の魅力が現れていて。優勝した時にシャーレを掲げて無視される。その"森脇芸"も30年の歴史で初めてでしょう。なかなかいないですよね。

 そして彼の場合、特筆すべきは味方FWが点を取った際に、お祝いのためにダッシュで駆け寄るスピードの速さです。後半になっても衰えない。今、トップ選手1試合およそ35km走ると言われていますが、それを走った後でも猛ダッシュで行きますからね。

 最近はサッカーの試合の各種データ採取が盛んに行なわれていますが、彼の「喜びの駆け寄り」はスプリント回数1回にカウントしてほしいです。

 あんまり褒めたくないけど、5位にしておきました。

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