日本文学を愛する浦和DFのアレクサンダー・ショルツ 好きな作家は川端康成 (3ページ目)
【今は寿司が大好き】
ショルツ自身は日本で、もっと自分を楽しめるようになったという。
「自分は今、30歳だけど、これまではどちらかというと真面目なタイプだった。でも少しずつ、人生は大いに楽しむべきだと思うようになった。そして日本には真面目な人が多いので、私は逆によりリラックスできるようになったような気がするよ」
また現在の日本が、外国人にとって以前より暮らしやすくなったこともあるようだ。かつては物価の高い国として知られた日本も、今や他の先進国や富裕国と比べて、生活にかかるコストはかなり安くなっている。なかでもショルツの出身地であるデンマークのコペンハーゲンは、物価指数でトップに来ることもある都市だ。
「デンマークなどと比べると、日本はとくに外食が安いよね。日本のレストランのクオリティの高さと値段の安さには驚いたよ。逆にスーパーマーケットでは、(野菜や果物などの)値段が高いから、外食することが多い。私のお気に入りは、餃子、天ぷら、うどん、そばと移り変わってきて、今は寿司が大好きだ。ウニ、アワビ、そしてもちろんトロも」
自身の性格に合う国での生活とヘルシーな食事──。ショルツの好パフォーマンスを支える要素だ。そして浦和の最終ラインに不可欠な守備者は、自身の独特のフットボール観についても話を続けた。
アレクサンダー・ショルツ
Alexander Scholz/1992年10月24日生まれ。デンマーク・コペンハーゲン出身。浦和レッズ所属のDF。身長189cm、体重84kg。母国のヴェイレBKでキャリアをスタート。アイスランドのストヤルナンを経て、2012年からベルギーのスポルティング・ロケレン、スタンダール・リエージュ、クラブ・ブルッヘでプレーした。2018年からはデンマークに戻り、FCミッティランで3シーズンプレー。この間CL出場やデンマークリーグのMVPを獲得。2021年シーズンの途中から浦和へ加入し、プレーしている。
著者プロフィール
井川洋一 (いがわ・よういち)
スポーツライター、編集者、翻訳者、コーディネーター。学生時代にニューヨークで写真を学び、現地の情報誌でキャリアを歩み始める。帰国後、『サッカーダイジェスト』で記者兼編集者を務める間に英『PA Sport』通信から誘われ、香港へ転職。『UEFA.com日本語版』の編集責任者を7年間務めた。欧州や南米、アフリカなど世界中に幅広いネットワークを持ち、現在は様々なメディアに寄稿する。1978年、福岡県生まれ。
◆【漫画】夫(横浜F・マリノス)vs 妻(浦和レッズ) 別々のクラブを応援する「他サポ夫婦」
3 / 3